時間や社会にとらわれず、幸福に空腹を満たすとき、
つかの間、彼は自分勝手になり、自由になる。
誰にも邪魔されず、気をつかわずものを食べるという孤高の行為。
この行為こそが、現代人に平等に与えられた、最高の癒しと言えるのである。
~長野県大桑村のサーロインステーキセット~
contents
俺は今… 肉を食べている…
肉だ! 俺に肉を食わせるんだ!
俺は今、肉にかぶり付いている。想像してみてほしい。午前中のいろいろと煩わしくも重要なアレコレを全て完遂し、空腹をこらえて向かったとある店。早く来すぎてしまったがために開店前。目の前に肉があるのにお預けを食らっている状態。そんな中で、ようやくありつけた極上のビフテキ。
ただのビフテキではない。極上のビフテキである。
その極上のビフテキにかぶり付く俺、まさに肉食系男子! この肉ならば、何度だって食べてもいい! いや、何度でも食わせてくれ! ちょっぴり薄肉なのが気になるが、そこは致し方あるまい。アラサーコドオジボンビーサラリーマンなのも致し方あるまい。
限られた資金の中、ただこの瞬間を堪能するだけである!
(BGM開始)
ジャカジャ~ン! ジャカジャ~ン!
ジャンジャカジャカジャカ! ジャンジャカジャカジャカ! ジャンジャカジャカジャカジャン! ジャ~ン!
チャララララ~ララ~ララ、ラァ~ララァ~! チャララララァ~ララ~ララ、ラァ~ララァ~!
チャララ~ラァ~ラララァ~!
(以下、BGM再生中をイメージしてください)
なぜ、今このような状況になっているのか? それはさかのぼること数日前のことである。
免許更新の時期がやってきた
ある日、仕事を終えて帰宅した時のことである。
郵便受けにとあるハガキが入っていました。それは「運転免許証の更新案内」のハガキである。なるほど、そういえばもうそんな時期だったか。免許センターはつい最近行ったばかりだった気がする。それを思うと、またあそこまで行くのかと少々億劫になってしまう。自分のミスが招いたこととはいえ、それでもめんどくさい。
そのつい最近とは一体何なのかはこちらをご覧ください。
なんちゃって孤独のグルメ ~長野県塩尻市のカニクリームコロッケ定食~
つい最近といいましたが、1月の出来事でしたね。そこまで最近の出来事ではないかもしれません。
さてはてそんな免許更新ですが、ただ更新するためだけに免許センターに行くものだるいものです。何か遠出をする目的を別に用意する必要があります。そして現在、地図を眺めている俺がいる。その地図とは「ツーリングマップル 2022 中部北陸」。バイカー達の必須アイテム、あるいは聖典ともいえる地図である。その地図を眺めていたところ、ある1つの文章が目に飛び込んできた。
「レストランの木曽和牛ステーキが人気」
何とも魅力的な文章を見つけたものである。
”ステーキ”…
そういえば、もう久しくステーキなるものを食べたことがない。もう少し美味しい、通でグルメな言い方は”ビフテキ”といいます。ステーキを焼くのは実に難しい。美味しく食べようとするならば、数年の修業が必要ともいわれてるかもしれないステーキ。ステーキだけは自分で美味しく焼くのは難しいので、店でした食べることはない。
そうだ… ステーキを食べに行こう!
目指すは一番乗り! 免許センターへGo!
そして俺は今、国道19号の木曽路を走っている。
ただ今の時間帯は朝の6:00。この時期の朝は本当に寒い。冬用のグローブを着用しているものの、とにかく手が寒い。というよりも痛い。そろそろホンダドリームにバイクを預ける時期がきている。この秋の時期は早朝からバイクを乗り回すことは少ないとはいえ、全く乗らないわけでもない。
体の寒さはガマンできるし、どうとでもなる。しかし、手の寒さ・痛さというのはガマンすることができない。ハンドルやアクセル操作を誤れば、事故につながりかねないからだ。
う~む… この手の寒さ対策というのも来年に向けて何か考えを起こさねば…
そんなこんなで国道19号を走っています。
これだけの時間に行けば、免許センターへは開場までだいぶ余裕をもって到着することだろう。というよりも、相当早く到着したがために、開場までだいぶ待ってしまうかもしれない。
でも、それでいいのだ。
今回向かう中南信運転免許センターへは過去何度も通っている。最初に通うことになったのは高校の時のこと。原チャリの免許取得へ向けた試験を受けるためである。その時もそうとうな混みぐあいだったことが記憶にある。何度行っても、あの免許センターは人混みに溢れている。
そんな人混みの中で待つのが嫌だから、早めに向かっている。現場で順番待ちするよりも、一番乗りして開場待ちしたほうがメンタル的にもメリットがある。何より、さっさと人混みから脱出できるので、3密の回避にもつながる合理的な判断。
もっとも、そういう発想をする人が増えると、ますます朝早くから現地へ行くということにもつながりかねないが…
ともあれ、早朝に免許センターへ向かいます。
到着したのは7:30。実際に開場するのは8:30。ちょうどいい感じの時間帯に来た。駐車場には同じことを考えているのだろう、そこそこに車が停まっている。ただ、寒いことを嫌がってなのか、依然として車から出てこない。免許センターの玄関には、誰も並んでいない。
これはチャンスだ!
俺はすぐにバイクを停める。すぐに身支度を整え、玄関へと向かう。俺が免許センターへ来たのは他の人達よりも遅れを取っている。しかし実際に手続きを行うとしたらどうだろうか? 俺は今、免許センター一番乗りを決めることができたのだ。
どうやら幸先のいいスタートが切れそうだ。後は開場を待つのみ。
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おい… あなたは何をしているんだ…
今、一番乗りで並んでいる俺の目の前に1人の男が立っている… お前は何をしているんだ… 何のために俺の間に立っているのだ… 全くもって、わけが分からない。お前はこの列の並びが目に入らないのか?
文句の1つも言いたくなったが、そこは言わない。無用なトラブルは避けるにかぎる。いや、理不尽なことだと思えばさすがに何かは言うだろう。しかし、目の前にいるのはけっこうな大柄な坊主頭の外国人男性。ちょっぴり、怖い。きっと、何が事情があるのだろうとガマンしておく。
すると、付き添いなのだろう女性が事情を話してくれた。なるほど。そういうことならば、一番乗りの座は譲ってあげようではありませんか。
そして待つこと数十分が経過しただろうか。免許センター内部から職員らしき人達が登場する。ようやく開場なのだろう。入り口で検温やらなんやらを行い、そこそこの説明を受ける。
さあ、これから運転免許更新の始まりだ!
サラッと終わった免許更新、免許は当然ゴールド免許!
目の前に1人だけ外国人男性がいるものの、ほぼ一番乗りを果たした俺。ここからは必要な書類を書いて、更新料金を払って、安全講習のビデオを見るだけである。
何故ならば、俺は優良運転者だから。
優良運転者とは、免許を更新するにあたっての区分の1つである。この更新が終われば、俗にゴールド免許などと称されている運転免許を手に入れることができる。その更新する免許の区分は次の5つにわかれている。
・優良運転者
継続して免許を受けている期間が5年以上、かつ違反や怪我のある事故を起こしていない方が対象で、帯の色はゴールド、有効期間は5年。
・一般運転者
継続して免許を受けている期間が5年以上、かつ3点以下の軽微な違反が1回のみの方が対象で、帯の色は青、有効期間は通常5年。
・違反運転者
違反が複数回あるか、または怪我のある事故を起こしてしまった方が対象で、帯の色は青、有効期間は3年。
・初回更新者
継続して免許を受けている期間が5年未満で、かつ違反や事故の有無が違反運転者講習の区分に該当しない方が対象で、免許証の帯の色は青、有効期間は3年。
・新規取得者
初めて運転免許を受ける方で、帯の色は緑、有効期間は3年。
自分がどこに区分されているかで、当然更新の内容も変わってくる。元酒屋の場合は優良運転者なので、約30分ほどの安全講習ビデオを見るだけで終わってしまう。実に楽なものである。
ただし、ここで勘違いしないでいただきたい。
手続きが簡単、講習会も短時間で終了するとはいえ、気を抜いていいわけではない。車・バイクは常に人を殺害しうる凶器でもある。運転を誤れば、自分の命を危険にさらす道具である。このことを常に頭において、改めて交通安全について意識するための講習会なのだ。力は抜くけど、気は抜かない。こういうバランス感覚が大切ですね。
そんなこんなで講習会も終了し、後は新しい免許証を受け取るだけである。受け取った免許証は当然ゴールド免許。一応、ゴールド免許だとアレコレ割引サービスが受けられるものがあるそうです。ただ、どれもこれも利用する機会がないので、メリットといえば自動車保険の料金が若干安くなるぐらいだろう。
ところで、ゴールド免許を取得するには次に3つの条件を満たす必要がある。
- 運転免許証を5年以上継続して保有している
- 誕生日の41日前から過去5年間無事故・無違反である
- 重大違反教唆幇助、道路外致死傷がない
無事故とは人身事故がないことを指す。単独事故や人的被害のない車両同士の事故は、ゴールド免許取得に特に影響はない。重大違反教唆幇助(きょうさほうじょ)とは、運転者に対して同乗者が重大な交通違反をそそのかす、または違反行為と知りながら止めないことを指す。また、道路外致死傷は、私的に利用される駐車場など、公道以外の場所で人を死傷させる行為を指す。
もちろん、元酒屋には何の関係もない事項である。
この元酒屋は常に安全運転を心掛けています。「止まれ」の標識があれば、確実に車両を停止している。決して”減速しました”ではない。確実に、誰が見ても”車両を停止”しているのである。
道路を走行中は、常に法定速度以内での走行を行っている。
ちょっと人の顔が見えないからといって、ブイブイいわしている走り屋とか、「流れに乗ることが大事だ」とか言っておきながら法定速度を守らない流れを作ろうとしている法令遵守童貞処女ども。あなたたちは自覚するべきだ。”教習所に通っていたころよりも、運転がヘタクソになった”ということを!
さあ、行くぜ! 目指すは道の駅「大桑」だ!
そんなこんなでサラッと終わった免許証の更新。
一番乗りの座を奪い取った某外国人男性とその付き添いの人は、いろいろと手続きの関係で他に時間がかかっていることがあるようだ。最終的に、最初に全てを終えたのは元酒屋である。更新された新しい免許証を真っ先に受け取ることができたのも元酒屋である。
実質的には自分が一番乗りで、一番最初に全てを終了させたといっても過言ではないのだろう。ただ今の時刻は9:15。どちらかというと、まだ受付が始まったばかりの時間帯だ。しかし、玄関ロビーや外を見ると大量の人間で溢れかえっている。極端なことをいってしまうと、このまま人間が増え続ければドミノ倒しが発生してしまうかもしれない。
現地で順番待ちするよりも、一番乗りで開場待ちをした方がいい。
やはりこの判断は間違っていなかったようだ。根本的に運転免許の更新が当日中に行うことができる場所は限られている。今後もこの手ていくべきなのだろう。
それにしても…
無事に免許更新ができて安心したと思ったら… 腹が… 減った… よし、店を探そう!
ではなかった。すでにどこの店に行くのかは決まっている。今日は早朝に自宅を出発するために、何も食べていない。まだまだ10:00にもなっていないが、目的地に到着することにはいい感じの時間になっていることだろう。それでは、バイクを走らせて木曽方面へと出発するとしよう。
俗称”木曽高速” 国道19号を走り抜けて道の駅へ!
そして再び来た道を戻る元酒屋である。
元酒屋以外は誰も法定速度を守らない国道19号という木曽路。正しいのはこちらなのに、法定速度で走っていると後ろから煽られるという理不尽な思いをすることになる国道19号。あまりにもビュンビュン飛ばす法定遵守童貞処女がいるものだから、”木曽高速”などと俗称されている国道19号。その国道19号を走り抜けます。
今回の目的地となるのは道の駅「大桑」です。
実は木曽福島から南側である上松町、大桑村にはほとんど行ったことがありません。基本的に木曽町から王滝村に入って御嶽山を見学する。その後はそのまま木曽に戻るという走行ルートとなる。
歴代通算走行ルートを考えればほぼ初めての道となるだろう。一体どんな大冒険が待っているのか楽しみだ!
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クソっ! この法定遵守童貞処女どもめ!
周囲の車両はビュンビュンかっ飛ばしている。実に迷惑な話である。安全意識というものがないのだろうか? いや、実際のところないのだろう。交通安全という考えがあるならば、こんなにも好き勝手にスピードを出すことなどないはずだ! まったく、いったい何を考えているのだろうか。
いくらかっ飛ばしたところで、目的地に到着する時間はせいぜい5~10分しか変わらないというデータも存在する。そのドライバーだけが勝手にハードラックとダンスッちまってオシャカになってしまうならば自業自得。だが、そこにこちらも巻き込まないでもらいたいものである。
特にお前さん達だ大型トラックの運転手。通称”大型トラッカー”よ。忙しいのは察するが、そんなに急カーブだってあるなか、そんなにビュンビュン飛ばしてもいいのだろうか。積み荷がオシャカになってしまったら、その責任をお前さん達は取れるというのだろうか。
まあ、いいだろう。
自分に実害が出ない限りにおいて、好きなようするがいい。俺はきちんと交通法規を遵守し、絶対に事故を起こさない”かもしれない”運転を心掛けるだけである。人は人、自分は自分。別に比べるようなことでもない。
そんなこんなで国道19号を走り抜けます。
道中、県外から来たのだろうバイカー達の集団がいた。それぞれ楽しそうに風となっている。あんなにも楽しそうな時間をグループですごしているのだ。”ヤエー”であいさつすることも考えたが、この場ではやめておこう。楽しい時間を邪魔するのも無粋な行い。こちらはソロで楽しむとしよう。
おっと、どうやら目的地が見えてきた。道の駅「大桑」だ。
速く来すぎてお預け状態、空腹をガマンする俺は肉食系男子!
そして到着しました。道の駅”大桑”です。
子の木曽路に点在する道の駅は、どれも駐車場は広く、停める場所に困ることはありません。それとうって変わって、この道の駅”大桑”の施設自体はそこまで大規模な施設というわけではありません。木曽路の道の駅の中では中小規模ぐらいでしょう。すでに観光客らしき車が停まっています。
さては、君たちもサーロインステーキを?!
こうしてはいられない! 木曽和牛なるものは初めて耳にするが、きっと松坂牛や米沢牛にも負けない極上の肉に違いない! いまいち全国区でないのは、それが知る人ぞ知る隠れた名肉だからだ! 多分な。ここでのんきに道の駅散策をしていては、売り切れになってしまう! 早く店に突入しなければ!
焦る気持ちを抑えつけ、すぐに食事処へやってきた。
店の名前は”グルメエリア きらく”というらしい。グルメエリア… いい響きだ。特にグルメというのが実にいい。きっとこの店ならば、美食家バイカーたる元酒屋の舌を唸らせる肉を提供してくれることだろう。さあ、入店だ! 木曽和牛とやらを食べてやろうではないか!
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開店前でした…
営業開始は11:30から。現在時刻は10:50。いや、確かにおおよその飲食店は早くても11:00スタートだろう。ちょっと早すぎるからとは思っていましたよ。でも、何だか普通に入店できるし、電気もついているしでもう営業開始しているものだと思っちゃうでしょ。
クソッ! 目の間に極上の肉が待っているというのに、食べることができないのか! 何てことだ! 俺の胃袋はすでにempty状態に陥っている! このままだとお腹と背中がくっついてしまうかもしれない! 営業開始まで残すところ40分。たったの40分。しかしこの40分が今の俺には永遠の40分、どんなによくても3、4時間に感じる拷問時間だ!
こうしちゃいられない!
このまま店の前でお預け状態のまま待機していると、しまいには暴走モードに突入してしまうかもしれない。ここは一刻も早くこの場を離れ、営業開始まで道の駅内部を散策し、気を紛らわさねば…!
気を紛らわすために、道の駅を散策中
あまりの空腹ぐあいに暴走状態に入る前にその場を離れた俺。そんな俺は今、道の駅の案内板を眺めている。どうやら、この施設は大きく3つの施設があるようだ。一番大きな施設には特産物販売所と先ほどのレストラン、そして軽食屋(そば屋)がある。この施設の反対側には、同じく特産物販売所と軽食屋があるようだ。
どら。ちょっと他の施設をのぞいてみるとしよう。
ここは反対側にある特産物販売所となります。どうやら地元野菜の直売所のように見受けられます。新鮮な野菜やイモ類が販売されています。言うまでもありませんが、季節によって販売されているものが異なります。
道の駅反対側にある軽食屋”米っ子 大桑”です。ちょうど営業中との看板が掲げてあります! 何という僥倖! 何という朗報でしょう! 本命は木曽和牛ステーキを食べることですが、今は胃袋が完全にempty状態となり、危うく暴走状態に陥ってしまいそうな状況にあります。ここで少しだけお腹に物を入れておきましょう。
どうやらここは五平餅をウリにした軽食屋のようです。
他にも牛丼やカレーなどの軽食メニューがあります。ただそういった軽食メニューはまだ営業開始していないとのこと。つまり、厳密に言うならば軽食屋はまだ営業開始前だが、持ち帰り的な五平餅ならば営業中であるとのこと。いずれにしても、少しは腹に物を入れることができるならば何でもいい。
軽食屋米っ子自慢の五平餅とやらを1本食べてみましょう。
どらっ。試しに1本買ってみました。
どうやらクルミタレの五平餅のようです。作り立てであるこのほのかな焦げみが実にいい。甘さの中に渋い香りが混ざり合い、食欲を掻き立ててきます。また、串ではなく割りばしなところもいい。完全にモチとなった状態での提供ではなく、つぶつぶ感を残した中でのモチ。そこに無骨なまでに突き刺さった割りばし。これは絶対に美味しいやつだろう。
では、いただきます!
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あっという間に食べ終わってしまいました。
とんでもねぇ美味さだぜ! この五平餅が1本たったの170円というのだから、驚きの安さである。つぶつぶ的な食感もたまらなくいい。ただ、ちょっとだけ気を付けていないと、食べているうちに割りばしからモチがポロっと落ちてしまうけどね。
とにかく、昼食前の小腹を満たすにはいい感じの軽食でした。
昔ながらのハンバーガー自販機が設置されていました。その隣には、昔ながらのよくわからないメーカー飲料水の自販機が設置されていました。
こういうのにはついつい試しにお金を出してしまいたくなるものです。でも今はガマンガマン。先ほど五平餅を食べたばかりです。最高の状態でステーキを味わうためにも、ここはガマンします。資金的な問題もありますしね。次回来た時には買ってみようかと思います。
おそらく、この道の駅が作られたときに設置したのかもしれません。石碑(?)、記念碑(?)が設置されています。すごく大きいです。ちょっぴりコケがついているところも時代の味があっていいですね。
情報休憩棟があります。
ここから木曽地域内の観光情報、道路情報、医療情報など、様々な情報が発信されています。この場合は木曽地域大桑村周辺の情報をザックリと得るためには立ち寄った方がいいかもしれませんね。
最初の場所に戻ってきました。せっかくなので、おみやげでも買っていきましょう。まあ、”おみやげ”といっても自分が食べたいだけという理由もありますけどね。早速内部に潜入してみましょう!
地域の特産品が販売されています。
どれにしようか、とにかく目移りしてしまいます。ただ元酒屋も信州人である。信州の特産品は東京人と比べれば食べ慣れています。何というか、「これだっ!」とビビッと来るものがありません。
誤解しないでくださいね。あくまでもアラサー生涯の中でどれも食べたことがあると言っているだけです。このおみやげ屋が悪いとは言っていません。そして、今は未知なる商品を求めています。そういう意味で、ビビッと来るものがないと言っているだけです。
ビビッとくるもの… ありました!これはワインですね。しかもスペシャルなラベルを使った信州のワインです。
右側にあるのは”御嶽海”ですね。
御嶽海といえば、大相撲で活躍する関取です。大相撲では信州初の優勝を果たしました。初優勝の時には信州は大騒ぎとなりました。翌日の信濃毎日新聞は、一面にドカンッと紫カラーで御嶽海特集を組んでいるほどの大事件となりました。
そしてその隣のラベルは、御嶽海のオカンことマルガリータさんですね。とても綺麗で、清楚な雰囲気のあるワインです。
ここまで来たら、おみやげはもう決まりましたね!
マルガリータさんのラベルのワインも気になるところですが、ここは御嶽海ラベルのワインを買うことにします。信州の誇りたる御嶽海。調子のいい時とそうでない時の差が大きい印象がありますが、今後も大相撲の世界で活躍してもらいたいです。残念ながら大関陥落となってしまいました。ですが、これからの活躍に期待です。もしも横綱昇格となった時には、きっと信濃毎日新聞はこれ以上にないぐらいの大騒ぎとなることでしょう。
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さて、時間は11:30になったばかり。
いい感じの時間ですね。五平餅で少々小腹を満たしてみたものの、基本的にはお腹と背中がくっついてしまうほどの空腹ぐあいです。美味しく昼食をとるために空腹を維持する。一方で、暴走状態に入らないように少しだけ食べ物を胃袋に入れておく。この絶妙なバランスを保つのにとんでもない労力を費やしました。
でも、それもこれでおしまいです。
さあ、行こうではないか!
この美食家たる元酒屋をして唸らせる木曾和牛ステーキとやらがいかなる味なのか、いざ参らん! 問題は資金面だが、これも些細なことだ。それは行ってみてから考えてみましょう。
著名人が多く訪れたかもしれないレストラン”グルメリアきらく”
そして、急いでやってきました!
レストランの名前は”グルメリアきらく”。実に美味しそうな店名です。
今、俺は店の玄関口にいます。何ということでしょう。そこかしこにメニューの案内表示がされています。しかも”肉”の数々。ここまでするのかと言いたくなるほどの”肉”アピールです。そこまで木曽和牛なる肉に自信があるというのか!? ここまで真正面から挑戦されたからには、こちらとて真正面から受けて立つしかないではないか!
今日はとにかく肉が食べたくて免許更新のついでに始めたプチツーリング。この瞬間のために、朝からろくに物を食べることなく木曽路を走り抜けてきました。あまりの空腹ぐあいに暴走状態にならないよう、少々胃袋に食べ物を入れましたが、今なお空腹ぐあいは変わりません。
”肉”だ! 俺に”肉”を食わせるんだ!
ひたすら”肉”を求める俺はまさに肉食系男子! それでは、いざ店に入ってみようではないか!
営業開始後、入店一番乗りです!
実はこの時、この道の駅にはあちらこちらから観光客が来ていました。みんな腹をすかしているのでしょう。けっこう外国人客も多くいました。
急がなければ!
営業開始直後のことなので、売り切れになることはないのですが、どうやら若干の暴走状態に入ってしまったようです。理性による抑えが効かず、「真っ先に”肉”を食わせろ!」と胃袋が唸っています。そんなこんなで急いで入店してしまいました。
ところで、応対してくれた店員さんは普通の方でした。ここまで”肉”アピールをしているとなると、きっと店員さんも”肉”的な雰囲気を醸し出しているのだろうと勝手に想像していました。どんな雰囲気を想像していたかって? それはもう”肉”といったらあの人しかないでしょう。肉料理の第一人者にして、妖艶な雰囲気を醸し出す人物といえば…
まあ、そんなことはどうでもいいだろう。とにかく応対してくれた店員さんは普通の方でした。
…いや、まて。何かが違う。
”普通の方”と言ってしまったが、どうやら見た目に惑わされてしまっていたようだ。”能ある鷹は爪を隠す”という言葉がある通り、この人は自分達の力を客に見せびらかすようなことをしていないだけだ。我が生涯において、数多の大衆料理店とその店員を見てきたからこそ分かることがある。この店員、かなり”デキる”ぞ。それはまさに味将軍ならぬ、肉将軍の力を秘めている!
暴走状態に入っていて、冷静な判断力を失っていたようだ。よく見たら、この店の店員たちは誰もかれもがただならぬ気配を感じる。これを統括するものが肉将軍ということか⁈
いかん、落ち着け!
このままでは戦わずして負けてしまう! いや、食わずして負けてしまう! とにかく、席に座って一呼吸おこうではないか。暴走状態に入っている脳ミソを落ち着かせるのだ。
どうやら、無事に席までたどり着いたようだ… 何とも言えない敗北感を感じている。この調子では、いざ肉にありつけたときにはどうなってしまうのだろうか? 今から不安でならない。何にせよ、一番乗りで入店することができた。少しは周囲を見渡して落ち着こうではないか。
店内は実に広々としている。
コロナ対策の一環で席数を減らしていることもあるだろうが、開放感のある店である。カーテンなんかは実にオシャレである。”庶民派”でありながら、ちょっぴり”高級感”も味わえる。そんな印象を受けてしまう。ゆっくりした時間を楽しむにはいい店かもしれない。
ふと、カウンター側を見てみる。
なるほど、なるほど。どうやらこの店は、今までいろんな著名人が訪れたことがあるようです。記念のサイン色紙や、一緒に写った写真が展示されています。
”ただならぬ店”という俺のカンは正しかったようだ。この店ならば、もともとの目的にあう”肉”を食わせてくれることだろう。そして、少し落ち着く時間を取れてよかった。暴走状態のまま食事に入ってしまったら、あっという間に敗北してしまうところだった。
”100g”か”200g”の肉か、それが問題だ…
さて、暴走状態も少しは落ち着いてきた。そろそろメニューを見てみようではないか。
といっても、注文するのは”サーロインステーキセット”とすでに決めている。それでも、一応どんな食事を提供しているのか確認してみたくなるのが大衆派美食家の性(サガ)というもの。どらっ、ちょっと何があるのか、のぞいてみましょう。
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マズイ… どうしよう…
ステーキセットを注文することは決定事項である。問題は、肉の重量にある。この店で提供しているステーキの肉重は100gと200gである。”肉重”と書いて、”にくじゅう”と読む。肉の重さの意味である。今頭を悩ませているのは、どっちの肉重を注文するかということである。
100g… ありえない!
今の俺は肉を食うことに頭がいっぱいなのだ! たったの100gだなんて肉じゃない! そんなのペラッペラな肉が来るに決まっているじゃないか! そんなのは肉の塊をした、ただの薄っぺらな肉である。そんな肉を食べたら欲求不満でまたもや頭が暴走状態に入って、ただ肉を求めるだけの男が誕生してしまうじゃないか!
200g… いいじゃないか!
いや、それでもペラッペラな肉が2枚来るだけかもしれない。とはいえ、100gを食べて欲求不満の暴走状態に入るよりはましだろうか。ここは満足感を優先して200gを注文するべきか。だがしかし、その値段は5900円である。100gならば3700円のところが、200gだと5900円である。その差は驚愕の2200円。
貧乏人は価値よりも価格を考え、金持ちは価格よりも価値で物を考えるらしい。この木曽和牛から取れた肉にはそれだけの価値があるのだろう。それでも、頭を悩ませてしまう。ツーリングには心を豊かにする、人生を豊かにするための浪費であり、これにはお金を使うと決めている。だが、資金には限りがある。
悲しき、ボンビーサラリーマンの現状である。
欲求不満の100gの肉にするか、この後さらなるボンビー生活に陥るかもしれない200gの肉にするか… それが問題である。
欲求不満の100g… ボンビー生活の200g… 欲求不満の100g… ボンビー生活の200g… 欲求不満の100g… ボンビー生活の200g… 欲求不満の100g… ボンビー生活の200g… 欲求不満の100g… ボンビー生活の200g… 欲求不満の100g… ボンビー生活の200g… 欲求不満の100g… ボンビー生活の200g… 欲求不満の100g… ボンビー生活の200g… 欲求不満の100g… ボンビー生活の200g… 欲求不満の100g… ボンビー生活の200g…
俺がだした結論は…
100gの肉、限られた資源を楽しもう!
結局、俺が注文したのは100gの木曽和牛である。
悲しき、ボンビーサラリーマンの性。サガ。SAGA。とにかく金がないことには何も始まらない。とある本では、幸福とは3つの資本で成り立っているらしい。「金融資本」、「人的資本」、「社会資本」の3つだ。この3つともない状態が貧困とのこと。まさに自分のことである。どうして俺はこうなってしまったんだ…
いや、愚痴をつくのはやめにしよう。そして、欲求不満の100gなどと考えるのもやめにしよう。ここは考え方を改めるのだ。物やサービスが溢れている現代社会。欲望の追及には終わりがない。もっともっとと新しいものを求めるのではなく、今あるものを大切にするのだ。
「わずかな資源を大切にするのだ」
さて、そろそろ待ちに待った木曽和牛ステーキを食べようではないか。いただきます!
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どんなテレビ番組だったか忘れたが、食レポなんてものはほとんどアテにならないとか。それは、本当に美味しいものは無言になる。本当に美味しいものは何も言わずしてただムシャムシャと食べるだけ。この木曽和牛こそそれにあたる食べ物である。
ほんのちょっぴり肉を切り取って口の中に放り込む。
そのわずかばかりの肉が口の中に広がっていく。噛めば噛むほど、口の中に木曽和牛の肉汁が広がっていく。口の中に木曽和牛ステーキが溶けていく。今の俺はきっと恍惚とした表情をしていることだろう。
店に一番乗りしてよかった。こんな表情を人がいる所で見られたら、「おっちゃん、キモッ!」とか思われていたかもしれない。だがしかし、この肉にはそれだけの破壊力を秘めている。店員たちから感じ取った肉将軍の雰囲気はこういう事だったのか!
肉の付け合わせには”ワサビ”、”塩”、”醤油”、”ステーキソース”の4種類が用意されている。
何もつけないノーマルステーキでも”おはだけ”が発生するというのに、付け合わせソースを使ってしまったらどうなってしまうのだろうか?! それでも料理を存分に楽しむためには、用意されているものは全て使うしかない。限られた資源、いや限られた食材を大切にして食事という人類最高の時間を堪能するのだ。
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ダメだ!
ただでさえ濃厚な肉汁によって口の中が極楽浄土となっているのに、そこに加えて様々なトッピング。悔しい! 悔しいのに… 認めたくないのに… 口が、舌が、躰が反応している! 100gというわずかばかりの肉をちょっぴり切り落とし、さらにわずかな肉の切れ端だというのに、犯罪的なジューシーな味わいが口の中を支配している!
そして、そこから放り込む白米!
美味い肉には、美味い白米が合うのは当然のことである。かつて高校時代ラグビー部に所属していたころ、「1切れ1杯の法則」なる例えが存在した。体をデカくするためには、ひたすら食事をかきこむ必要がある。トンカツ1切れで1杯のどんぶりメシを食えという例えである。美味い肉ならば、それができると。
今、まさにその頃の気分に戻ったような気がする。当時と比べると食が細くなったが、ここまで美味い肉が存在するとなると白米も進むというもの。そういえば、ご飯のおかわり可能だと店員さんが言っていた。この肉を1杯のご飯で食べきるにはもったいない。第2弾の白米を頼もうではないか。
フフフ… そして、物語は最初に戻る。
俺は今、白米と共に肉にかぶり付いている。想像してみてほしい。午前中のいろいろと煩わしくも重要なアレコレを全て完遂し、空腹をこらえて向かったとある店。早く来すぎてしまったがために開店前。目の前に肉があるのにお預けを食らっている状態。そんな中で、ようやくありつけた極上のビフテキ。
ただのビフテキではない。極上のビフテキである。
その極上のビフテキにかぶり付く俺、まさに肉食系男子! この肉ならば、何度だって食べてもいい! いや、何度でも食わせてくれ! ちょっぴり薄肉なのが気になるが、そこは致し方あるまい。アラサーコドオジボンビーサラリーマンなのも致し方あるまい。
限られた資金の中、ただこの瞬間を堪能するだけである!
(BGM開始)
ジャカジャ~ン! ジャカジャ~ン!
ジャンジャカジャカジャカ! ジャンジャカジャカジャカ! ジャンジャカジャカジャカジャン! ジャ~ン!
チャララララ~ララ~ララ、ラァ~ララァ~! チャララララァ~ララ~ララ、ラァ~ララァ~!
チャララ~ラァ~ラララァ~!
(以下、BGM再生中をイメージしてください)
ごちそうさまでした!
100gの木曽和牛ステーキを存分に堪能させていただきました。大量消費で口の中に放り込むよりも、わずかな量を大切にして少しずつ味わって食べる。どうやらこの作戦は成功したようだ。暴走状態にあった俺の胃袋が、スッカリ理性を取り戻している。
ボンビーサラリーマンから脱出し、リッチマンサラリーマンになった暁には200gの木曾和牛ステーキを注文しよう。そう心に誓った俺であった…
残りわずかなバイクシーズン、どこに行こうか?
今日のプチツーリングは、もともと免許の更新から始まったこと。ちょっとした失敗があって、つい最近免許センターに行ったばかりだが、更新の時期が来たのだから仕方がない。
そんなこんなでたどり着いた道の駅”大桑”。
地図で紹介されていたが、予想以上に肉のうまみタップリで、100gステーキという一見するとペラペラな肉の塊が神の食材への変貌したことが口の中で感じ取ることができました。これ以上に美味いステーキが日本にあるだろうか? ひょっとしたらあるかもね。でも、現時点ではこのステーキがこれが過去最高のステーキ、究極のステーキ、至高のステーキであることは間違いのない事実だろう。
さて、もう11月に入りました。
バイクシーズンも終わろうとしています。ここから先は、ホンダドリームに預ける日が近づいています。ツーリングに行くのもあと1回といったところでしょう。
残りわずかな限られた期間です。自分が満足する最後の時間にふさわしいところはどこなのか? ジックリと考え、最後の日々を過ごしていこうと思います。
本日の立ち寄りスポット
プチツーリングだったとはいえ、本来の目的は免許の更新です。その目的は達成したので、概ね満足する1日だったと思います。道の駅は昼飯タイムとなるとけっこう観光客もいましたね。木曽地域は各地に道の駅が点在するので、この場所に限らず時間を見て全制覇も考えてみます。
それでは、本日の立ち寄りスポットを紹介しましょう。ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
立ち寄りスポット1 中南信運転免許センター
所在地:塩尻市大字宗賀字桔梗ヶ原73-116
電話番号:0263-53-6611
各種申請受付日:月曜日~金曜日、第2、4日曜日
各種申請受付時間:8:30~9:30、13:00~14:00
免許証の交付:即日発行
長野県に3ヶ所ある免許センターのうちの1つになります。松本市周辺、また松本市より南側に住んでいる人ならば、この免許センターを使うことになるでしょう。受付時間は8:30からですが、その時間に来るとすでに人間の行列がとんでもないことになっています。現地での手続き待ち時間にストレスを感じる人は、早朝に到着した方がいいかもしれません。
立ち寄りスポット2 道の駅 ”大桑”
所在地:長野県木曽郡大桑村野尻160-27
営業時間
・土産、特産物販売 9:00~18:00
・レストラン「グルメリアきらく」 11:30~20:00(ラストオーダー19:30)
駐車場:大型車4台、普通車75台、身障者用マス1台
公式サイト:http://www.michinoeki-ookuwa.jp/
本日の注文:銘撰木曽牛 サーロインステーキセット100g(3,700円)
国道19号線にある道の駅。木曽地域にはこの他にも国道沿いに道の駅が存在します。そのうちの1つがこの道の駅「大桑」となります。公衆トイレや駐車場は24時間いつでも利用可能です。レストランが閉店中の時間帯に来ても、ハンバーガー自販機があるので小腹を満たすことに困ることはありません。
駐車場も十分なスペースがあるので、停める場所に困ることはないと思います。車中泊をする場所としても活用できる道の駅になります。実際、立ち寄った時には車中泊らしきキャンピングカーが何台かありました。
ここで販売されている農産物は、全て契約農家から直送果物を販売しているそうです。
観光案内所では、大桑村周辺の観光スポットを紹介しています。場所が場所なだけに、必然的に自然系になります。ただ、自然のない東京に住んでいる人には日々の煩わしさを忘れ、癒しを得るには最高の場所を紹介されているので、都会住まいの人は立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
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