来年は甘さにこだわろう~初心者の定番サツマイモ~

ここから天日干しをします!

僕「農業デビューだ!ここは初心者の定番サツマイモだ!」

父上様「やれやれ…野菜ってのはなぁ~、土が大切なんだぜ…」

僕「分かってるってばよ!だからこうして腐葉土やら何やら混ぜ込んでるんだろ!」

父上様「そんなやり方で、本当にできるのかねぇ~…(呆れ)」

僕「出来らぁ!昔、ばっちゃんが作ってくれたイモを再現してやるからな!」

 それが今年の4月ぐらいの出来事でした。その頃は同時並行でダイコンの栽培も準備していたころです。

 もともと家庭菜園を今年から始めたきっかけは、収入の低さから来たもの。副業もそこそこやっていたものの、あまり軌道に乗らず、少しでも食費を節約したい思いから自分で作ろうとしました。

 そして、真っ先に思い立ったのが『サツマイモ』。

 あまり手間暇かけず、簡単に栽培できる野菜ですね。個人的には家庭菜園初心者の定番作物と考えています。私自身、小学生以来となるサツマイモ作りになります。

 小学生の頃は、帰宅すると祖母がよくおやつに用意してくれていたものでした。

 サツマイモも買おうとすると1本100~130円ぐらいするものです。食べたいけれど、他のことにお金を使いたい。ならば、サツマイモは作ればいい。

 やったるぜ!

 日本におけるサツマイモはもともと救荒作物。やせた土地でも育つことができる作物です。むしろ、肥料などがあるとかえって成長に悪影響を与える場合もあるとか。

 要するにあまり手間がかかることがない。肥料などのお金もほとんどかからない。家庭菜園初心者にはうってつけの作物だということです。

 最初は苗の植え方が悪く、枯らしてしまいました。それでも新しく植えなおした苗は無事に育ってくれました。

 結果的にはサラダごぼうの時と同じく「部分的に成功」しました。

 来年は今年栽培した作物と同様、栽培規模を拡大してみることにします。他、来年は甘さにもこだわり、ツタを刈るタイミング、収穫後の熟成方法にも注意してみます。

 それでは家庭菜園(サツマイモ編)の総まとめをご覧ください。種まきからその後の成長・収穫まで、来年の改善点を含めまとめてみました。

実録! これがサツマイモの栽培だ!

 家庭菜園初心者たる元酒屋。

 今年最初に取り組んだのはダイコンですが、何を栽培するのか考えた時、真っ先に思い立ったのはサツマイモ。

 繰り返しになりますが、サツマイモは初心者の定番作物と考えています。小学校でもサツマイモの栽培をしたものです。そして収穫後はみんなで焼き芋を作ったのは良い思い出。

 ただ初心者の定番とはいえ、種芋から育てるのはさすがにハードル高し。苗を買い、そこから栽培することにしました。

 それでは、サツマイモの成長記録をご覧ください。

サツマイモの成長記録(1日目~4日目)

サツマイモを植えてみました
栽培開始!立派に育つかな?
枯れてしまったサツマイモ
早くも非常事態発生!

 昔食べたサツマイモを再現してみせる! やったるぜ!

 そう意気込んで栽培を始めたサツマイモ。それが何ということでしょう! 栽培4日目にして完全に枯れ果ててしまったのです!

 何故だ?! 何がダメだったんだ?!

 土の問題なのか? いや待て、サツマイモの前にダイコンも同じ土で栽培している。サツマイモだけが植えた直後に枯れ果ててしまうことなどあるのだろうか?

 ………

 ………

 とまあ、こんな感じでいきなり非常事態が発生してしまいました。

 水やりが少なかったのかと思い、水を多めに足したり、周囲の雑草を徹底的に取り除いて栄養が苗に集中できるようにしたり… 復活することにかけてあれこれやってみました。

 結果… ダメだった…

 この時点では結局何がダメだったのか理由がわからないままでした。最終的にはまた苗を買ってきて植え直すことにしました。その時、苗屋で何かアドバイスをもらうようにしました。

サツマイモの成長記録(植え直し~37日目)

苗を植え直しました
苗を植え直しました
ツルが伸びる部分は埋めないように
ツルの先端は埋めないように

 てなわけで苗をあらためて買い、植え直しました。

 前回との違いはツルの先端部分にあります。苗屋で枯れてしまった状況とその写真を見せた所、ツルの先端を土の中に埋めてしまっていたことを指摘されました。

 サツマイモの苗自体がどこから大きく成長していくのか把握していなかったということです。

 本来成長するはずのツルの先端を土に埋めてしまったことで、苗が成長できなくなってしまったとのこと。そこで今度はきちんとツルの先端を土から出しておくようにしました。

 もう一つの変更点として、植える時間帯を変えてみました。

 最初に植えた時は13:00頃のことでした。日中、最も気温が高い、日差しが強くなる時間帯です。

 言うまでもなく、植えたばかりの苗はまだ土に根付いていない状態です。土から栄養を取ることがありません。こんな状態で炎天下の中に植えたら苗の水分がたちまち抜けてしまい、枯れてしまう可能性があります。

 そこで今度は日が落ち始める16:30頃に植えてみました。

 とはいえ、それでも気温はやや高め。日差しも少々和らいだ程度。植え直した苗もまもなくショボショボになってしまいました。はたして今度は上手く育つのか不安が拭えません。

 それから37日が経過しました…

 ………

 ………

葉が大きくなりつつあります
葉が大きくなりつつあります

ウネから飛び出てます
ウネから飛び出てます

 しっかり育ってくれました!

 ショボショボになっていた苗も、太く・固く育っています。マルチの上だけではツルが収まりきらず、外側にまでツルが這い出ています。同時に這い出たツルが、そのままマルチ外側の土に根を張ろうとしています。

 ともあれ最初の難関… というか、失敗は克服しました。あとはちょいちょい水やりをするだけです。

 繰り返しになりますがサツマイモの場合、あれこれ手を加えない方がむしろいいとか。肥料は少なめ、あるいは、ほぼない方がいい。水やりも一旦根付いてしまえば水は多く足す必要もない。

 特に何か対応することもなく、まさに初心者向けの作物といえます。

 それでは、この後の様子を見てみましょう。

雨ニモマケズ風ニモマケズ
雨ニモマケズ風ニモマケズ

 栽培から67日目の様子です。

 ツルがあちこちに伸びています。ショボショボだった植え直しのころとまるで違います。なかなか立派に育とうとしています。

 この頃、唯一の懸念点は雨でした。サラダごぼう編でも言いましたが、8月中旬からはひたすら雨が続きました。水のやり過ぎも成長に悪影響を与えます。

 元酒屋の畑は元田んぼ。土がやや粘土質で、水捌けが悪い土壌です。マルチから飛び出したツルと葉は、長雨の影響でたちまち水に浸かってしまいました。

 同時期に栽培していたのはダイコンとサラダごぼう。この2つの作物と違い、サツマイモの収穫時期はまだまだ先の話。おそらくイモもあまり成長していないはずです。

 雨がやみ晴天が続けば根腐れも起こすことなく、軌道修正ができるのではないか? そんな期待を込めて成長を見守ります。

 全く雨が降らないのも困りますが、降り過ぎも考えもの。ほどよいバランスがとれない天気に悩みながらも栽培を続けるとします。

サツマイモの成長記録(そして収穫へ…)

栽培から120日が経過
栽培から120日が経過しました
これから収穫作業だ!
これから収穫作業だ!

 栽培から120日が経過しました。

 サツマイモの収穫目安は栽培日数と葉の色合いで判断があります。

 まずは栽培日数。こちらは110日~150日が目安だそうです。品種によって違いがあるそうですが、植え付けてからのおおよその目安はどれも同じらしいです。

 もう一つは葉の色。こちらは葉が変色し、枯れ始めていることが判断基準になります。枯れ始めというのは、イモに十分栄養が行き渡ったサインであるそうです。

 最初の写真をご覧ください。

 まだ葉が青々と茂っています。とても枯れ始めているとは思えない状態です。こちらについては後で調べてみて原因が分かりました。この記事で後述するとします。

 さて、青々と茂っているものの、栽培日数でいえば120日。ちょうどいい感じの日数だと思います。この時点での知識では、収穫で注意すべきは雨とのこと。

 サツマイモは水分に弱く、湿った状態だとたちまち傷むのが早いらしいです。

 そこで収穫に丁度いいのは晴天が続いていること。土が乾いた状態での収穫ならば、イモ自身も湿り気がなく、収穫後の保存もしやすいそうです。

 この頃、葉が枯れていないのでもう少し収穫時期をずらそうか検討していました。ところが天気予報を確認したところ、この後は週末雨が続いていました。これでは土が乾燥した状態での収穫が望めないため、この日の収穫をすることにしました。

大雑把にツルを取り除きます
大雑把にツルを取り除きます
イモを傷つけないよう慎重に掘ります
イモを傷つけないよう慎重に掘ります

 収穫のポイントは周囲の土から慎重に取り除くこと。

 決して焦ってはいけません。イモを傷つけることがないように、慎重に掘り起こしていきます。ヘタにイモを傷つけてしまい、皮がベロンベロンになってしまうと、そこから傷む原因になります。

 慎重に… 慎重に…

 ……

 ……

これぞ芋づる式の収穫!
これぞ芋づる式の収穫!

ここから天日干しをします!
ここから天日干しをします!

 そして収穫出来ました! これぞ芋づる式の収穫です!

 ちょうどいい感じの大きさがあれば、「どうやって食べようか?」と悩んでしまう大きさのイモまであります。見かけ上は上手く育っていると思います。

 ところで、このサツマイモ。収穫したらすぐに食べてもいいわけではありません。より甘味を増すために、ここから少々ひと手間をかける必要があります。

 まずは天日干しです。

 こちらは2~3日ほど行います。天日干しの目的はサツマイモの表面を乾かすため。前述の通り、サツマイモは表面が湿っていると傷みやすくなってしまいます。

 そこで、まずは天日干しで乾燥させ、保存をするという流れです。

 だがしかし、残念ながら天日干しはできませんでした。理由は「雨」。もともとこの日を逃せば雨が続いてしまうため、収穫時期を早めました。

 天気は自分でコントロールできません。仕方なしになるべく屋根付きの場所、かつ日差しがなるべく当たるような場所で陰干しするとします。これを1週間ほど続けます。

 さて、サツマイモを天日干しする理由は、イモを乾燥させることで傷みにくくするため。長期保存ができるようにするためです。

 イモを甘くさせる要因は、その後の貯蔵にあります。これはデンプンがショ糖などに変化して甘みが増すからです。

 サツマイモは貯蔵することで、デンプンがショ糖などに変化します。このことにより甘味が増し、食感もホクホクからしっとり、しっとりからねっとりへと変化します。品種や貯蔵時期によってサツマイモの食味は大きく変わります。

   

 サツマイモの貯蔵で重要なのは、温度と湿度を一定に保つことです。以下の点に気をつけて貯蔵をしましょう。

  • 温度:13℃~16℃、湿度:90%~95%
  • 貯蔵庫内に温度計と湿度計を複数ヶ所設置し、こまめに湿温度を確認・調整する

千葉県「サツマイモの貯蔵による変化とポイント」より

 残念ながら、千葉県が推奨している貯蔵庫と呼べるものは存在しません。ないものはない。どうしようもない。ないものねだりをしても仕方がない。今、自分にできることをする。それだけです。

 そんなこんなで、陰干しをすること1週間。早く食べてみたい気持ちを抑えて、待つこと1週間。「いつ食べられるの?」と両親から急かされつつも、待つこと1週間。

 ………

 ………

早く『鬼まんじゅう』が食べたい!
早く『鬼まんじゅう』が食べたい!

 ………

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サツマイモの成長記録(試食を開始!)

トースターで蒸かしてみました
トースターで蒸かしてみました
美味しそうな色合いです!
美味しそうな色合いです!

 早く『鬼まんじゅう』が食べたい!

 そんなはやる気持ちを抑えつけ、待つこと1週間。ようやくサツマイモの試食を開始しました。

 かつては家にサツマイモ焼き機がありました。ところが度重なる使用と経年劣化により、破損してしまいました。これを使えば、ちょうどいい感じの焼き芋が作れるのですが…

 ないものはない。そこで代用品として使ったのがトースターです。

 まずはサツマイモを綺麗に水洗いします。それをアルミホイルで包み込みます。電力を800ワットで15分ほど焼きます。

 その後、10分間余熱で温めます。そして、イモを裏返しにして再度800ワットで15分ほど焼きいれる。串を刺して、火が通っていれば完成です!

 さてはて、その完成品。なかなか色合いとしてはいい具合です。では、さっそく初挑戦「サツマイモ」を試食してみます!

 いただきます!

 ………

 ………

 まずまずの食感です。表面はシットリほんわかな食べ応え。芯の方まで進むと、私好みのサックリとした食感が味わえます。サックリといっても、程よい水分を含んでいます。

 少々残念なのは、やはりスーパーで販売しているサツマイモと比べると甘味がだいぶ劣っていること。

 これは人の好みの問題になるかもしれませんが、作ったサツマイモはほんわかした甘味。それに対し、スーパーのサツマイモは焼けば蜜も飛び出すようなしっかりとした甘みがあります。

 本業で農家をしている方の作物と比べることがやや間違っているかもしれません。それでも、ここまで差があるとやや凹んでしまう。来年に向けて、改善点を考えてみましょう。

来年は『ツル返し』の作業を行いましょう!

 結論:部分的に成功!

 サツマイモ自体が初心者向けの作物ということを考慮しても、まずまずの出来具合だったと思います。最初は植え方が悪く枯らしてしまいましたが、それも植え直しで改善しました。

 6月下旬からの梅雨の時期、8月中旬の長雨の時期も苗が腐るようなことはありませんでした。

 9月頃になると、イモがウネから飛び出していることを確認。その都度、土寄せ的なことを行いました。これ自体は結果的に悪い対処法ではなかったようです。その後は特に問題なく、無事に収穫に成功。

 課題としては、甘さが足りないこと。

 一体何が悪かったのか? 調べてみると、サツマイモの栽培ではツル返しという作業があるそうです。あらためて、その作業が必要になっていた写真を見てみましょう。

ウネから飛び出てます
ウネから飛び出てます
栽培から120日が経過
栽培から120日が経過しました

 一つ目は37日目のころのツルの状態です。伸びたツルが地面を這い、新しく根をはろうとしています。もう一つは120日目の様子。完全にツルが地面を這い、そのまま根付いています。

 これは良いことだと判断していました。

 成長したツルが地面を這い、そこで新しく根付く。そうすることで、さらに養分をイモへと集中させるものなのだと勘違いしていました。

 こういう根は「不定根」と呼ばれるそうです。伸びたツルの節間から根が出て、地中へ入っていく。これを放っておくと、その根からもイモがつき、養分が分散されてしまうそうです。

 収穫にも影響がでます。

 葉が枯れ始めるということは、イモに十分な養分を貯めることができた証拠。ツルがあちこちに伸び、養分がとれる状態が続けば、まだ成長できると苗が勘違い。イモに養分を貯めることなくツルの成長を続けるとのこと。

 それが収穫目安の栽培日数になっても、特に葉が枯れる様子がなかった原因です。

 以上のことから、来年の栽培では『ツル返し』の作業を確実に行うようにします。これは、植え付けた部分のイモだけを大きくするため、ツルを引き上げて土から根をはがす作業になります。

 やることは単純なもので、はがしたツルはひっくり返してマルチの上に乗せておくだけ。これは根を出したツルを見つけたら、その都度行う作業になります。

 来年はこの作業を確実に行うようにします。

自分で対応できることは確実に

 初めて作ったサツマイモは部分的に成功しました。初心者向けの作物でしたが、それでもただ放っておけばいいわけではありません。美味しいものを食べたいなら、それなりに行うべき作業がありました。

 どんなことでもいえますが、物事には自分で対応できること・できないことの2つがあります。農業の場合は天気が対応できない部分になるでしょう。

 栽培を始めるにあたってのウネ作り。苗の植え方。長雨の時は簡易的な屋根を作ってみる。伸びたツルの対象方法。

 自分が対応できることは考えてみればけっこうあるものです。

 何ができるのか、何ができないのかきちんと見極め、できることは確実に行えるようにする必要があります。栽培の要領はつかみました。来年はもっと甘いサツマイモを作れるようにがんばります!

   

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