世界的に金余りとなり、株式市場に資金が流入していると叫ばれています。
保有している米国高配当ETF3銘柄(VYM、HDV、SPYD)も株価が上がり、なかなか買いにくい状況。
そこで、先日から新しく高配当ETFの「SDIV」の購入を開始しました。この銘柄の基本情報をまとめてみました。
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SDIVとはどんな銘柄か?
正式名称は「グローバルX スーパーディビィデンド 世界株式ETF」といいます。
世界中の株式のうち、配当利回りの高い100銘柄に均等分散されるETFです。運用会社は「グローバルX」。
VYM、HDV、SPYDと異なり、毎月分配型になります。
運用方針が非常に分かりやすいETFです。全世界型の株式ETFという点についても、地域分散が利き、好感が持てます。
「グローバルX」とはどんな会社か?
グローバルXは2008年に創業した比較的歴史の浅い会社です。
ニューヨークを拠点にし、運用商品はETFに特化しています。約70銘柄のETF運用資産額合計は、2020年末時点で200億ドル以上。
テーマ型ETFの先駆者でもあります。
2010年にリチウムに関する最初のテーマ型ETFを設定。その後も、今後数十年の間に成長するだろう分野のテーマ型ETFを設定しています。
グローバルX社の日本法人が設立されたのは2019年9月のこと。
以下、元酒屋のポートフォリオにおける主力ETF「SPYD」と比較してみます。
SDIV | SPYD | |
---|---|---|
運用会社 | グローバルX | ステートストリート |
設定日 | 2011年6月 | 2015年10月 |
純資産額 | 約8.6憶ドル | 約30憶ドル |
組入れ銘柄数 | 102銘柄 | 78銘柄 |
直近利回り | 6.25% | 4.89% |
経費率 | 0.59% | 0.07% |
2021年3月25日時点での比較になります。
かたや全世界分散型の株式ETF、かたやS&P500集中型の株式ETF。単純に比較することは出来ません。
SDIVの方が、早い時期に上場されています。もうじき上場されてから10年が経過します。
近年の経費率の削減競争を考えると、0.59%は気になるところ。また、純資産額もSPYDと比べると桁が少ないことも気になります。
分配利回りについては、SDIVに軍配が上がります。
個人的には、高い利回りを期待しての銘柄なので、けっこうなことです。
SDIVにおける国別構成比率
続いて、このETFの国別構成比率を見てみます。
ファクトシートより引用(2021年3月25日時点)
構成比率トップはアメリカの24.76%。それに続いて南アフリカ9.6%、ロシア7.68%と続きます。
アメリカが全体の約4分の1を占めます。でも、これぐらいなら目をつむることが出来ます。
結局の所、現状アメリカ経済がコケれば、世界経済がコケますから。
何にせよ、アメリカ以外の国々にもきちんと分散されていることが分かります。
同じく全世界型株式ETFである「VT」という銘柄がありますね。こちらは現時点で、アメリカ市場に57.6%投資しています。
SDIVは、VTよりも地域分散がされています。(組入れ銘柄数、運用資産額はいったん無視)
現在のセクター比率
続いて、このETFのセクター比率を見てみます。
ファクトシートより引用(2021年3月25日時点)
組入れセクターの半分以上が景気敏感株に偏っています。このことから攻めのETFと判断できます。
「高配当と呼ばれる銘柄には、それだけの理由がある」
個人的に、高配当株投資で頭に入れておくべき鉄則と考えています。
元酒屋の場合、個別銘柄を研究する時間と知識がないため、ポートフォリオはETFのみでの運用をしています。
ただし、ETFでも上記の鉄則を頭に入れ、購入するか判断する必要があるでしょう。
上昇開始して以降の株価推移
上場されて以降、株価の推移を見てみます。
株価推移(2021年3月28日時点)
設定されてからのデータになります。おおよそ20ドルから25ドル付近で推移しています。
2018年から下落傾向にあり、コロナショックで8ドル付近まで暴落。現在は13ドル。コロナショック前までは戻り切れていません。
未だ世界経済が悪いことが影響しているかもしれません。何にせよ、値上がり益は期待できない銘柄だということが分かります。
SPYDと同様、好景気の時こそ爆発力を発揮する銘柄かもしれません。
値上がり益に興味なし、売却しない前提であれば、うってつけの銘柄でしょう。
コロナショック以降の年間配当金推移
それでは、一番気になる配当金の推移を見てみます。
設定以降、年間配当金の推移
設定されてから年間配当金の推移です。2021年は、まだ2ヶ月分の配当金しか出ていませんので、気にしないでください。
グローバルX(SDIV)公式ページで、分配金カレンダーの情報をまとめてみました。分配金は、小数点第3位以下は切り捨てて計算しています。
コロナショック前は、年間配当1.4ドル付近にいます。増配はないが、減配もない印象です。
言うまでもない話ですが、コロナショックが発生して以降、大きく減配しています。
この場では年間配当金のグラフです。
月別で見ると、2020年4月の配当金から減配が続き、未だコロナショック前の水準に戻っていません。
高い利回りには理由がある。高配当銘柄は、不人気銘柄であることが一般的。
それを踏まえると、昨年のSPYDでもそうでしたが景気が悪いときは減配されても仕方がないと割り切る必要があります。
元酒屋が購入する理由と心配な点
今回、SDIVを新たに保有することにしました。投資総額100万円分を購入しました。この銘柄が魅力を感じた理由は次の2つ。
・全世界分散型の株式ETFである
・低い株価で購入しやすい
元酒屋の投資では、安定したキャッシュフローを得ることを目的にしています。
「株は購入よりも、売却の方が難しい」とよく言われいます。
元酒屋としても、売却タイミングの判断が出来ない以上、値上がり益を目的とした銘柄は保有しません。
現在、配当目的の銘柄はVYM、HDV、SPYDを保有しています。こちらはアメリカ市場へ投資する銘柄です。
リスク分散の一環として、全世界株から配当金をもらえる銘柄を保有したかったことがあります。
同じ全世界株式ETFでもVTは、どちらかといえば値上がり益を目的にした銘柄です。
自分の考えとは合わず、何より積立てNISAで楽天VTを運用しているので、個別で購入することはしませんでした。
現状株価はコロナショック前の水準に戻り切れていないため、購入しやすい銘柄だったことも理由にあります。
ただ安定した配当収入となると、世界経済が改善していない現状では期待できないかもしれません。この辺が我慢が必要です。
一方で、このETFを保有するにあたって心配な点は次の2つ。
・純資産額が少なく、上場廃止リスクが高い
・グローバルX自体が歴史の浅い会社である
SPYDと比べても純資産額が少ないことが挙げられます。
安定した運用をするためには、純資産額が多いにこしたことはありません。
安定した配当収入を得る前に、上場廃止になってしまう可能性も十分あります。
そして、グローバルX自体がバンガード社らと比べても歴史が浅く、運用資産額が少ないことも心配の種です。
今後世界的な債務危機ら不確実な経済状況を乗り切ることが出来るのか不安は尽きません。
今回、総額100万円の投資を行いました。
安定した配当収入を目的として、全世界株式型ETFを保有したいと考え、SDIVに注目しました。
ポートフォリオにおける扱いとしては、サテライトとしての運用。投資のコアとなるのはあくまでVYM、HDV、SPYDの3ETF。
SDIVについては、今後投資額を増やすことはありません。
購入しておいて何ですが、自分でもリスクを取り過ぎている自覚があります。
世界経済が回復傾向にない中、今は配当収入が少なくても仕方がありません。
ここは我慢する時。このまま放置することにします。
後は、上場廃止にならないことを祈るばかりです。
これから購入を考える方は、くれぐれもポートフォリオでの割合が高くならないように注意しましょう。
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