直近で公表された米国のインフレ率は、市場予想を下回りましたね。これを受けてなのか、市場は政策金利の利上げペースを下げるのではないかという思惑が出てきています。今度は若干ではありますが、株価上昇の傾向がみられます。
そんな中、元酒屋はといいますとポートフォリオに新しく『DGRW』を追加しました。あまりに攻めすぎたポートフォリオであるため、少しは堅実な資産運用を心掛けようとした結果です。
今回は投資を開始したDGRWについて紹介しようと思います。なぜ私がこのETFに投資したのか理由も添えておきます。皆さんの参考になればと思います。
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『DGRW』の基本情報
まずはDGRWの基本情報と各項目のポイントについて押さえておきます。資産額や配当利回りついてはこの記事を執筆時点のものとなります。
名称:WisdomTree U.S. Quality Dividend Growth Fund(ウィズダムツリー米国クオリティ配当成長ETF)
運用会社:ウィズダムツリー社
連動指数:WisdomTree U.S. Quality Dividend Growth Index(インデックスティッカー:WTDGI)
設定日:2013年
総資産額:約71憶ドル(約9,656億円)
組入れ銘柄数:296社
経費率:0.28%
直近配当利回り:1.25%
設定日以降の株価を見ますと、一貫して右肩上がりだということがわかります。コロナショック時には大きく下落したものの、すぐに回復し過去最高値を更新しています。
コロナショック後における株高傾向の一番の要因は、FRBによる大規模金融緩和にあります。ただ後述しますが、DGRWの場合はこれ以外にも株主資本利益率、収益性が高い銘柄で構成されていること株価の早期回復につながったとみています。
この株価暴落耐性の強さ、株価回復のスピードは、投資家にとって1つの安心感を与えてくれます。
他のETFで考えてみますと、財務優良企業で構成されるHDVも株価が早い段階でコロナショック前に回復しています。一方で、SPYDは約1年かかっての回復となり、もっとも長い期間がかかりましたね。
運用会社『ウィズダムツリー社』とは?
2006年に誕生した米国の資産運用会社です。その運用資産額は約738憶ドル(約10兆368億円)になります。運用しているETFは全92本。そのうち、日本で投資可能なETFは27本あります。
ウィズダムツリー社が運用しているETFは、主に独自に開発した指数によって運用しています。
通常インデックスファンドのベースとなる指数は、一般的に時価総額を基準にしている指数が多いですね。ところがウィズダムツリー社の場合は、配当加重や利益加重などいわゆるスマートベータ的なアプローチを取って運用しています。
これは、配当を支払っている企業はリスクが低く、長期的に優れたパフォーマンスを提供する傾向があることが示されているというジュレミー・シーゲル教授の研究の影響を受けてのことです。今回紹介するDGRWも、配当や収益性に注目したETFとなります。
このように、ウィズダムツリー社は独自のルールに基づいてETFを運用しています。株価は必ずしもその企業価値を表したものではないからですね。実際にコロナショック後の株高傾向は、FRBによる大規模金融緩和が要因の1つとされています。
連動指数『WTDGI』とは?
続いて、WisdomTree U.S. Quality Dividend Growth Index(インデックスティッカー:WTDGI)を見てみましょう。指数の名称がずいぶんと長いので、以下WTDGIと記載します。
このWTDGIはどんな指数なのかというと、名称はETFと同じままウィズダムツリー米国クオリティ配当成長指数と呼ばれます。その中身は過去3年間の資産収益率と株主資本利益率が高く、高収益成長が期待できる300の配当銘柄で構成されています。株価の成長をしつつ配当金も多く出している企業を選定しているということですね。
もう少し詳しく選定方法を見てみましょう。
まずはウィズダムツリー米国配当株指数1400銘柄を選定します。その中から時価総額が20憶ドル以上であること、当期純利益を配当額で割った値が1.0以上である銘柄を選定します。最後に、前述の通り株価の成長と配当金を多く出すであろう企業を総合的にランク付けして300銘柄を選定するという流れになります。
要するに、将来にわたって高い増配率を期待できるであろう銘柄を集めたETFになります。
SPYDのようなS&P500指数の配当利回り上位80社や、VIGのような10年連続増配企業で構成されるETFとはまた違ったアプローチで選定されていることがわかります。
なおこのWTDGIインデックスは、各構成企業が翌年に支払うと予測される総現金配当の比例配分を反映するために、毎年加重された配当です。直近に発表された 1 株あたりの配当金に基づきます。この指数は、2013 年 4 月 11 日に 200 を基準値として設定されました。
『DGRW』の配当金の状況は?
DGRWは非常に大雑把な言い方をすれば、高い収益性から将来増配が大きく期待できる銘柄で構成されたETFと受け取ることができます。要するに連続増配ETFに分類されるということですね。配当金が高いではなく、増配率が高いがポイントです。
ここで高配当株ETFと連続増配ETFについて確認してみましょう。
言うまでもありませんが、株式の利益には値上がり益を狙うキャピタルゲインと配当金収入を得るインカムゲインがあります。DGRWはキャピタルも狙えますが、どちらかといえばインカムゲインを得るためのETFになりますね。
そのインカムゲインを目的とした米国ETFは、高配当ETFと連続増配ETFの2つに分類できると思います。DGRWは連続増配ETFに含まれるでしょう。まずは、それぞれ代表的なETFの特徴について簡単にまとめてみます。
高配当ETF
VYM:配当利回りが米国市場平均を超える高配当銘柄400銘柄に分散投資
HDV:米国の財務優良企業のうち、配当利回りの高い約70~80社に分散投資
SPYD:S&P500採用銘柄のうち、配当利回りの高い上位80社に分散投資
連続増配ETF
VIG:10年以上の連続増配実績を持つ約250社に分散投資
SDY:20年以上の連続増配実績を持つ約250社に分散投資
DGRW:高い増配率が期待できる約300社に分散投資
さてVIG、SDYは連続増配実績から構成される銘柄に対し、DGRWは高い増配率に注目して構成されるETFになります。この増配率というのが一番のポイントとなります。では増配率とは何なのかもう少し深堀してみます。
よく配当金情報が発表されたとき、投資家の間では前年同期比〇%の増配、または〇%の減配なんて表現しますね。これが増配率(減配率)と表現されているものです。次のケースで考えてみましょう。
2020年配当金状況
・A社 1.5ドル
・B社 0.6ドル
2021年配当金状況
・A社 1.8ドル(前年比+20%増配)
・B社 0.84ドル(前年比+40%増配)
どうでしょうか。A社の方が、高い配当金が支払われています。ですが増配率に目を向けると、B社の方が前年比に比べ高い増配率となっています。このように増配率が高くなるであろう銘柄を集めたETFがDGRWとなります。
それでは、ここでDGRW、VIG、SDYの配当金の支払い状況とその増配率について見てみましょう。DGRWの設定日が2014年なので、比較するグラフは2014年からのものとなっています。それらをまとめてみました。
配当金の支払い状況で見ると、SDYが一番強いですね。さすがに20年間連続増配の実績は伊達ではありません。直近1年間の配当利回りは2.57%と悪くない水準です。ただし、現在の株価状況(2022年8月19日時点)は130.68ドルと1株あたり約17,800円ほど。投資しようとするには、それなりの資金が必要になってきます。
続いて、増配率について見てみます。各年ごとにバラツキはあるものの、基本的にはきちんと増配されています。
安定した増配が期待できるのはVIGとなります。2014年どころか、設定日である2006年から調べてみましたが、実に綺麗な右肩上がりになっていました。リーマンショックの年ですらきちんと増配されています。この実績は投資家にとってかなりの安心感を与えてくれますね。
ちなみにSDYの設定日からの実績は、減配だった年が4回あります。投資家によっては連続増配という前提が崩れていると感じるかもしれません。
では肝心のDGRWの増配率について確認してみましょう。DGRWの特徴は高い増配率。ここが弱いと投資の前提が崩れてしまいます。配当金の状況よりも要チェック項目です。
その増配率はなかなかにバラツキがあります。2020年のコロナショックの年は、前年比-2.83%とさすがに減配となっています。それ以外の年はきちんと増配されています。
一見すると各年の増配率にバラツキがあり、安心感に欠けるかもしれません。しかし、全体を通した増配率の平均値はDGRWが約11.55%。VIGが約7.79%。SDYが約9.83%。
全体を通して考えれば、DGRWの特徴である高い増配率の前提が崩れていないことがわかります。これならば、超長期的な視点で投資するならば、現時点における配当金の状況は深く考えなくてもいいかもしれません。
DGRWの構成銘柄
続いてDGRWの構成銘柄について確認してみます。DGRWの構成銘柄は約300社あります。その上位10銘柄について見てみます。どれも2022年8月19日時点のものとなります。
構成銘柄上位に組み入れているアップル、ジョンソン&ジョンソン、マイクロソフト、コカ・コーラなどなど… 米国株投資を行っていなくとも、世界的に有名な優良大企業で構成されていますね。
資産収益率と株主資本利益率が高く、高収益成長が期待できるという点から、組み入れ銘柄は必然的に手堅い銘柄になります。株価暴落耐性が強いことも納得できるものです。当たり前といえば、当たり前の話かもしれません。
元酒屋は個別銘柄への投資はしていません。企業分析などが面倒なので、今後も投資するつもりはありません。ですが米国株投資を行っている人達からすれば、余力があれば保有したいと考える銘柄ばかりだと思います。
DGRW、VIG、SDYの基本情報比較
最後に連続増配ETFであるDGRW、VIG、SDYの基本情報について簡単に比較しておきます。どれが好みなのかは投資家によって分かれることでしょう。
DGRW | VIG | SDY | |
株価(2022年8月19日) | 62.58$ | 157.69$ | 130.70$ |
運用会社 | ウィズダムツリー | バンガード | ステート・ストリート |
設定日 | 2013年 | 2006年 | 2005年 |
総資産 | 約71憶$ | 約658憶$ | 約230憶$ |
組み入れ銘柄数 | 296銘柄 | 288銘柄 | 119銘柄 |
経費率 | 0.28% | 0.06% | 0.35% |
直近1年間配当利回り | 1.25% | 1.81% | 2.57% |
配当金支払い頻度 | 毎月 | 四半期 | 四半期 |
最大下落幅 | 約28.3% | 約28.2% | 約33.0% |
これらを見ると、どれに投資するかは好みがわかれます。最大下落幅についてですが、これはコロナショック発生時における最高値からの下落幅になります。どれも似たり寄ったりで、株価の回復速度もさして差はありませんでした。
共通するのは増配が可能(過去、将来問わず)な企業で構成されているETFであること。どれもボラティリティが低く抑えられるETFですね。
この3ETFに何を求めるのか。元酒屋が考える投資する基準は次の3つになります。
- 毎月配当が魅力、投資を始めやすい株価 → DGRW
- 目先の配当金を求めている → SDY
- 安定した増配と低い経費率 → VIG
『DGRW』のメリット、デメリット
そんなこんなで、元酒屋が考えるDGRWのメリット、デメリットを話します。それぞれ参考になれば幸いです。
メリット1 手ごろな株価で投資しやすい
まずは連続増配ETFの中でも比較的株価が低いことです。これは設定日が一番新しいことが関係していますね。
VIG、SDYをみればわかる通り、どれも100ドルを超える株価となっています。設定日以降の株価推移を見れば、リーマンショックで大きく下落したものの、長期的に見ればきれいな右肩上がりの株価となっています。
政策金利の利上げも絡んでいる直近1年間の株価を見ても、上昇・下落の繰り返し。何かドカンがない限り、今から投資を開始しようとするには結構キツイ株価になっています。
一方でDGRWの現在の株価は62ドル。VIG、SDYに比べれば半分以下の株価です。入金力が低い投資家にとっては、これから投資を開始するには手を出しやすい株価だと思います。ドカンを待たずに投資できるのは大きなメリットだと思います。
経費率の高さについても、そこまで気にする必要はないかと。DGRWにしても、設定日以降株価は右肩上がりになっています。超長期的にみれば、その経費率も十分に相殺できるだけのポテンシャルはあると考えられます。
メリット2 将来的な高配当化が期待できる
続いてのメリットは将来的な高配当化が期待できることにあります。これは連続増配ETFである以上は当然のメリットですね。
現在の直近1年間の配当利回りは1.25%。ぶっちゃけかなり低い水準ですね。それでも長期的な増配率は連続増配3ETFの中では一番高いものでした。目先の配当金はSDYが一番高いですが、それは20年連続増配という実績のある銘柄であるからこそのもの。DGRWも5、10年後には同じ水準に達するとみています。
もっとも5、10年後のSDYはもっと高い配当金を出していることでしょうがね…
この辺りはHDV、SPYDにはないメリットだと思います。この2つのETFは、増配したり減配したりとイマイチ配当金が安定しない傾向にあると思います。特にSPYDはリバランス時期の関係もあるのか、増配したり横ばいだったり大減配したりとなかなかに安定感にかけていますね。
高配当株3ETFで安定感バツグンなのは、やはりVYMが最強ですね。
いずれにしても、連続増配という前提が崩れることはそうそうないかと思われます。
メリット3 毎月配当金が得られる
メリットの3つ目は、毎月配当金が得られることにあります。これは完全に個人的な好みの問題になります。
例えば、年間の配当金が12万円だとします。これを四半期ごと3万円ずつ分割してもらうのか、毎月1万円ずつ分割してもらうのかどちらが好みでしょうか。
元酒屋の場合は、毎月分割が好みです。
それは月々の収入状況がキッチリと安定しているため、生活費の予算が立てやすくなります。4半期に1回のペースで配当金をもらうとなると、3ヶ月にわたる予算編成を考える必要があります。その点、毎月配当ならば、その月1ヶ月分だけの予算編成で収まります。実に楽な状況になります。
ただし、DGRWの場合は毎月配当といっても注意点があります。毎月一定額の配当金が入金されるわけではありません。3、6、9、12月の四半期ごとに配当金が多めに出る傾向にあります。これは構成銘柄の企業の配当金が入るタイミングが関係しているのでしょう。
むしろ、タコ足配当のETFでない証明であると思います。しっかり配当金を原資として払われていると考えていいでしょう。安心して投資を行うことができます。
デメリット1 直近でのキャッシュフローに欠ける
続いて、元酒屋が考えるDGRWのデメリットについて考えてみます。真っ先に思いつくのは、直近で高いキャッシュフローを得られることはないETFだということです。
くどいようですが、現在の直近1年間の配当利回りは約1.25%。単純計算で100万円を投資しても、年間配当金は税金を考えなくても12.500円しかありません。これは実に低い水準です。将来的な高配当化が期待できるとはいえ、保有し続けるにはそれなりの忍耐力が必要になってきます。
同じ連続増配ETFでも、キャッシュフローを求めるならばSDYにすべきなのでしょう。資金力は必要になってきますし、DGRW、VIGと比べると分散性に欠けます。何より、連続増配という前提が崩れている年が何回か存在します。そこに目をつぶることができるのならば、SDYへの投資にした方がいいでしょう。
DGRWに投資する時は、VTIやSPTMのようなインデックスファンドを投資するようにある程度はほったらかしにする必要がありますね。”高配当化”という花が咲くまで待て。育つまでジックリと忍耐強く待て。それがDGRW投資家の鉄則になるのかもしれません。
デメリット2 本当の大暴落を経験していない
そして元酒屋が考えるDGRW最大のデメリットがあります。それは”本当の大暴落”を経験したことがないことです。つまり、その時ETFは上場廃止にならずにすむのか読めないのです。
”本当の大暴落”とはどういうことか。コロナショックの発生要因から考えてみます。
2020年3月に米国株式市場は大暴落しました。それが投資家たちがコロナショック呼ぶことになった出来事ですね。ではそのコロナショックが発生した要因は何なのか。
きっかけとなったのは言うまでもなく新型コロナウイルスが蔓延したからですね。その感染拡大を防ぐためにあらゆる経済活動を停止させました。多くの国で感染の抑制を目的とした渡航制限や外出制限等が実施されたことに加え、国内においても人や物の交流が制限されました。
需要と供給。両面の停滞がお互いに重なり合い、経済悪化が進んでいきました。感染状況の先行きに関する不安や失業の増加、所得の低迷。それらは消費や投資を急速に縮小させていき、危機の連鎖が生まれました。
ザックリというならば、こんなところでしょう。ここで注目するのは、今回の経済危機は自分達で経済活動をストップさせたことから始まったことになります。
2000年のITバブル崩壊や、2008年のようなリーマンショックのように、何かしらの金融システムが破壊されたわけではありません。その後の大規模金融緩和策によって、株価に関しては比較的に戻りが早かったですしね。
ナスダック指数に至っては、その株価上昇は目を見張るものがありましたね。ナスダックはハイテクセクターが中心の指数。人や物の流れがストップしても、比較的負の影響は少なく済みました。ナスダック指数に連動するETFであるQQQはけっこう早い段階で史上最高値を更新してしまいました。
これが元酒屋が考えている本当の大暴落を経験したことがないと言っている理由です。
では、連続増配3ETFについて考えてみます。
SDYが設定したのは2005年、VIGが2006年になります。どちらも設定後まもなくして2008年のリーマンショックを迎えることになります。それでも上場廃止に至ることなく生き残ることができました。投資家にとっては今回のコロナショックでは絶好の買い場チャンスだったことでしょう。
一方でDGRWはどうでしょうか。
DGRWが設定されたのは2013年。今回のコロナショックが初めての暴落相場となりました。そして、生き残りました。しかし前述の通り、コロナショックは金融システムが破壊されての経済危機ではありません。では、もしも金融システムが破壊されての経済危機が発生した時、はたしてDGRWは生き残れるのでしょうか。
資産収益率と株主資本利益率が高いこと、高収益成長が期待できる銘柄で構成されていること。ある程度の暴落耐性があることは証明済みです。それでも本当の大暴落が未経験なことから、経済危機が発生した時にどうなるか読めないETFであると考えています。
おそらく、大丈夫だと思います。しかし未来の動きを正確に読むことは誰にもできません。”大暴落未経験”ということは、頭の隅に置いておくべきでしょう。
元酒屋が『DGRW』に投資する理由とは?
最後に元酒屋がDGRWに投資する理由についてお話をして終わりにしようと思います。
元酒屋がDGRWに投資する理由は、守りに強いETFを組み入れることでポートフォリオ戦略を堅実なものにしたいことにあります。それは、ポートフォリオがかなり尖ったものになってしまっているからです。
元酒屋は定期的に資産運用状況について発信しています。直近では7月9日掲載「2022年第2四半期 金融資産公開」になります。そこで現在の高配当株投資に関するポートフォリオを公開しています。
それを見えればわかると思いますが、現在のポートフォリオはXYLDとQYLDが全体の50%を占めています。かなりの尖ったポートフォリオです。もともと高配当株投資はアクティブ投資。その中でもXYLD、QYLDという非常にアクティブなETFを主力にしています。
VYMら高配当3ETFは、組み入れ銘柄のルールがきちんと明確になっています。リバランスで組み入れ銘柄を入れ替えるにしても、ファンドマネージャー達の独自判断が入り込む余地はありません。
一方でXYLD、QYLDは違います。
この2つのETFはオプション取引のETF。詳しい説明はこの場では省きますが、運用成績がファンドマネージャー達の腕にかかっているといっていいETFです。
そして設定日はどちらも2013年。DGRWと同じように本当の大暴落を経験したことがありません。果たして、その時が来たら生き残ることができるのでしょうか。ファンドマネージャー達は、今後も同じような運用成績を残し続けることができるのでしょうか。
QYLDに関しては、ここ最近減配傾向にあります。
普段ならば、配当金は増配もしない横這いにあります。しかし直近数ヶ月間の配当金は、明確に減配されています。政策金利の利上げから、ナスダック指数が下落傾向にあるので当然のことかもしれません。それでもこの減配傾向は高い配当金を求める投資家としては、精神的にくるものがあります。
では、堅実な運用がしたいならば、なぜVYMら高配当3ETFに投資しないのかという疑問が出てくるかもしれません。それは、現在の配当利回りにあります。それぞれの直近1年間の配当利回りは次の通り。
VYMが2.91%、HDVが2.99%、SPYDが3.69%。
決して悪い水準ではありません。かといって、積極的に買いに行くような配当利回りでもありません。高配当と呼ぶからには、配当利回り4%以上は欲しいものです。
やはり、高配当株投資はアクティブ投資であること。ある程度のリターンを出すには、買うタイミングが重要であることがわかります。いつ来るかわからない”ドカンッ”に備えて、どれだけ現金を貯めこむことができるのか。いざ”ドカンッ”が来た時にどれだけ大量購入ができるのか。これにかかっています。
情けない話ですが、この元酒屋はさして入金力が強いわけではありません。何とか捻出できたなけなしの投資資金を株式購入に回しています。
投資資金を大量に貯めこむことはそうそうできません。貯めた投資資金を現金のまま放置することもできません。それは元酒屋にとって投資機会を損失することを意味します。XYLD、QYLDに投資したのもそのあたりが要因の1つになっています。
でも、少しは堅実な資産運用を心掛けたい。そんな中で注目したのがDGRWとなります。
直近で多くの配当金を手にすることはできません。しかし指数は堅実な右肩上がり、値上がり益も十分に狙えるポテンシャルを持っています。超長期的には目先の株価上昇・下落は些細なこと。将来に備えるにはちょうどいいETFだと判断しました。
一時的な現金の置き場所と考えても、十分にその役割を果たすことでしょう。これが元酒屋がDGRWに投資する理由です。
『DGRW』で堅実な資産運用を心掛けよう
いかがだったでしょうか。
今回は新しく投資を開始したDGRWについて自分なりに紹介しました。ETFの紹介については他の投資家の方々がもっと詳しく、丁寧な説明をされていると思います。なので、この記事では元酒屋が投資を開始した理由について見ていただければと思います。
これらが皆さんの投資判断のお役に立てれば幸いです。
元酒屋はというと、DGRWの購入を続けることにします。同時並行でXYLD、QYLDの購入も多少は進めることになると思います。
しかし何度も言いますが、現在の元酒屋のポートフォリオの約50%はXYLD、QYLDで構成される尖ったもの。将来の本当の大暴落に備え、もう少し堅実な内容に変化させる必要があります。
最終的にはXYLD、QYLDは全体の30%以下に抑える予定です。少しは守りを意識したポートフォリオにすることで、圧倒的なドカンッが発生してもさして気にすることなく枕を高くして眠れるようにします。
高配当株投資をする理由は、日々のキャッシュフローを増加させたいから。何故キャッシュフローを増加させたいのか。それは会社の給料ではこの先生活していくことができないと判断したから。
日々の会社の給料に加えて、配当収入で手取り月20万円の収入ゲット。これが当面の目標となります。40歳になるころには達成したいと考えています。
目標に向かって日々精進、勇往邁進していきます。皆さんもそれぞれ投資の目的があるかと思います。それが達成できることを願っています。
それではここまで読んでいただき、ありがとうございました。またの機会をお楽しみください。それではみなさんご機嫌よう、さようなら!
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