「KPI評価」というものがあります。「重要業績評価指標」とも言われますね。会社の目標達成に向けて、いろんな業績の達成度や進捗を組織や個人ごとに管理するための指標です。これを設定することで、社内の目標を分かりやすい形で可視化し、共通の目標を共有することができます。組織のメンバーが一つになり、共通の目標に向かってそれぞれ迷うことなく仕事を進められ、生産性が高まるそうです。
このKPI評価なるものを個人的なことに落とし込んでみました。来年から始まる新NISAに向けて、投資資金を稼ぐため。他、個人的に生活を豊かにするための月々に達成すべきこととその目的について、次の4つを考えてみました。
- 副業で3万円の収入を作る(金融資本をのばす)
- お金に関する本(または、現在の副業に関する本)を1冊読む。また、その内容で気になったところをブログでまとめてみる(人的資本をのばす)
- 完全に趣味の本を1冊読む。また、その内容で気になったところをブログでまとめてみる。人との会話のネタ作り(社会資本をのばす)
- 仕事以外の新しい人に会って、会話をする。知り合いを作ってみる。(社会資本をのばす)
それぞれ自分なりに思うところがあって、考えてみたことです。KPI評価というと何だが大げさに聞こえてしまうので、月々に達成すべき目標と簡単に言っておきましょう。
さて、今回は②の「お金に関する本を1冊読む」についてです。
私としても毎日ではないにしても経済新聞、経済ニュースを見たりしています。「ふ~ん」と思うこともあれば、「何やそれ?」と思うこともある。いろいろ言ってますが、ハッキリと自覚したことは「基礎中の基礎知識すら足りない」ということでしょう。
物事を理解するためにも、その前提となる知識が必要です。今回読んだ本は、経済の基礎中の基礎を知っておくために読みました。というわけで、手に取ったのは「パッと頭に入る経済」です。実はこの本は、私が大学時代に活用していた本になります。
過去、似たようなことをいいましたが、当時は大学デビューに失敗してから引き籠りがちだったころになります。講義でこの本を使うことがありました。ただ精神的に勉強どころではなく、最低限試験さえ合格すればいいという意識から、ほとんど読んでいませんでした。時を越えて、今まさに読もうというわけです。
それでは、個人的に気になったところをまとめてみましょう。
contents
「パッと頭に入る経済」 気になったところ紹介
前述の通り、こちらの書籍は私が大学のころ講義で活用していた本です。2001年に発刊され、スーパー図解シリーズの本の1つとして出版されています。本書ではわかりやすさを重視し、図解を中心に構成されています。経済の全体的な基礎知識を学ぶことができます。
本書は以下の6章で構成されています。
- 経済の基本的な仕組み
- 金融の基本的な仕組み
- 財政の基本的な仕組み
- 企業、産業と経済の関係
- 世界経済と日本の関係
- これからの日本経済
各章、まずは大まかな全体図の説明から始まります。そして、高度経済成長期からバブル崩壊後の日本の状況の解説に繋がっていきます。おおよそ共通しているテーマとして、バブル崩壊後の日本経済の停滞について触れられています。本書でも「失われた10年」として扱われています。まさか「失われた30年」となってしまうとはつゆ知らず…
2000年前後といえば、モーニング娘全盛期のころでしたね。当時の私としては、LOVEマシーンで「日本の未来はWow Wow Wow Wow! 世界がうらやむYeah Yeah Yeah Yeah」とノー天気になっちだの、ゴマキだの、加護ちゃん辻ちゃんだのとアイドルに夢中になっていたものです。
さて、大まかな全体図を把握したのち、本書で共通して主張していることがあります。
「バブル崩壊後、不良債権処理が遅れているために日本経済は停滞から脱却できずにいる。従来の日本型モデルの経済成長は通用しない。思い切った構造改革が必要。」
この”思い切った構造改革が必要”という主張はたびたび本書で記載されています。これはあくまでも基礎知識の解説本であるためか、どういった改革が必要か。今後、日本が目指すべき組織の在り方は何か。そういったことは特に記載されていません。読む人によっては、けっこう無責任に感じるかもしれませんね。
では、本書の概要を説明したところで、細かな点について紹介します。私が気になった点は次の通りです。
インフレはどのように起こるか?
まずはインフレの起こり方の基本について解説されています。
今、世界中で極端なインフレが問題になっています。それに関連して、このインフレの解説について注目しました。各国中央銀行は政策金利を引き上げ、インフレ抑制を目指しています。最近では、アメリカの経済指標がややインフレ鈍化と判断されたのか、今後はいつ金利の引き下げを行うかまで議論されているそうですね。
日本は長い間デフレ経済と言われていましたが、徐々に物価高が進みインフレが進んでいますね。ただ、諸外国と違って日本のインフレの原因はどうも様子が違うようです。外国と日本の違いは何か。この点を意識してインフレの解説を読みました。
読んだ結論として、日本のインフレは”コスト・プッシュ型インフレ”と呼ばれるもの。原材料費の高騰から、その上昇分を製品価格へ転嫁することで発生するものだそうです。世間ではインフレに対応できるように賃金アップの機運が高まっています。ただ、賃金アップ以上にインフレが進んでいるので、実質賃金は下落傾向にあるといわれています。
ちなみに、元酒屋の場合は実質どころか名目賃金まで下落してしまいました…
それに対して本書の説明を読む限り、欧米で発生しているインフレは”資産インフレ”になるのだと思います。コロナショック後、株価の維持や失業者への給付金などによってひたすらお金をばらまきました。その結果、誰もがお金を持っている状態となり、ひたすら物価が上がり続けているのでしょう。
もちろん実際はここまで単純な話ではないでしょう。ただ、自分の理解力ではここまでが限界でした。
景気には一定の法則がある
ここでは、景気に法則について解説されています。
某元総理大臣は「我が国は戦後最大の好景気をむかえています」などという発言をしていたことを覚えている方はいるでしょうか? 私はというと、その手の発言を聞くたびに嫌気がさしていたものです。何が好景気だというのか? 給料は上がらず、物価は上がるばかり。税金や各種社会保険料の負担は上がるばかり。景気が良いと感じたことなどありません。
それはさておき、景気には一定の法則があるそうです。
「好況」→「後退」→「不況」→「回復」→「好況」
これが景気循環と呼ばれる流れとなります。3~4年周期で繰り返す「キチンの波」と呼ばれるものや、企業の設備投資がきっかけで9~10年周期で繰り返される「ジュグラーの波」というものなどがあります。これらが一定のサイクルによって景気良くなったり、悪くなったりするそうです。
現在の日本経済はどこにいるのだろうか? 直近の政府発表では「ゆるやかに回復」という見解を示していました。ですが、前述の通り私は景気が良いと感じたことは一度もありません。そもそも、日本に景気が良かった時期などあったのでしょうか? 高度経済成長など都市伝説のように感じます。
まあ、とにかく景気には一定の法則で成り立っているということは理解できました。ところで、この景気に関する解説文の中で特に注目した文章があります
「企業は新たな投資を控えるようになり、経費を削減し、従業員の賃金も抑制する。そうすると、モノの価格は下がり、物価も下落するので、やがて消費が増え、景気は緩やかに上昇していく。」
なるほど。景気循環の法則でいえば、確かにそうなるのでしょう。ですが、実際はどうでしょうか? ”従業員の賃金が抑制する”という点についはわかります。給料がまともに上がったことなどありません。しかし後半の”物価も下落する”という点はどうでしょうか? 当然、下落するどころか上がる一方です。上がる要因は、原材料価格の高騰からくるコストプッシュ型のインフレというものですね。
景気が停滞しているなか、同時にインフレが起こること。それを世の人々は「スタグフレーション」と呼びます。
この不景気のなかで、個人でできる対策は何があるのでしょうか?
幸いといっていいのか分かりませんが、この元酒屋は子供部屋おじさん生活を満喫しています。もう少しシャレた言い方をすると、パラサイトシングルなるものでパラサイト生活を送っています。給料はまるまる自分のことに使うことができます。いや、完全にパラサイトしているわけではなく、ちゃんと家の土地の管理とか雑務はこなしていますからね。
しかしながらパラサイト生活もいつまでもできるわけではありません。両親も高齢となり、いつかは自分の経済基盤だけで生活する必要があります。それができないからパラサイト生活しているんだけどね…
もはや削れる支出は最大限削っています。渇いた雑巾を絞るかのように、もはや削れるムダな支出は存在しません。
結論としては、パラサイトができているうちに自立できる経済基盤を作ることになります。副業をがんばって副収入を得る。それを元手に、高配当株へ投資し配当金を得る。せめて日々の光熱費だけでも賄えるようにがんばる。FIREなるものには憧れがありますが、自分には到底無理。せめてサイドFIREに到達できるようになれたらいいよね。
何だ… 結局いつもと変わらないじゃないか…
予測よりも早く”五公五民”へ
”五公五民”というワードがネット界隈を駆け巡りました。国民負担率がついに50%に到達するということです。”国民負担率”とは国民所得に占める税金や社会保険料の割合で、いかに公的負担が大きいかを国際的に比較する指標の1つです。2022年度は税負担が28.6%、社会保障負担が18.8%、合計47.4%となる見込みだと発表されました。
国民の所得倍増計画は一体どこに行ったのやら…
これら増大する社会保障費と国民負担率の増加は本書でも予測されていました。2025年には社会保障費は30兆円を超えるだろう、国民負担率は50%を超えるだろう。実際は予測よりも3年早く到達しました。そして政府からはさらに取り立てようと”実質”増税の嵐。3年連続で過去最高の税収といっておきながらなぜなのか?
しつこいようですが、本書は2001年に発刊されました。20年前の時点で何もしなければ将来こうなるだろうと予測していたわけです。いや、執筆を始めた時期を考慮すれば、さらに前から予測していた事態でしょう。それを思えば現在の日本経済の状況は何だというのか? この国の偉い人たちは何をしていたのかとついつい愚痴りたくなってしまうものです。
とはいえ、大学デビューに失敗し、精神的にまいってしまって引き込みりがちになっていたことを考慮しても、これまで何も勉強してこなかった元酒屋にも責任はあるというもの。国全体のことはどうにもならなくても、個人でできる対策はあったはずです。例えば、一生懸命に勉強して高給取りの職業に就くという道もあったでしょう。
いずれにしても、世の経済学者たちの予測はほぼ的中させていたことがハッキリといえます。
基礎知識をおさえ、お金に困らない人生を送ろう
人の貧富には”金融資本”、”人的資本”、”社会資本”なるものがあるそうです。豊かな人生を送るために、自分なりのKPI評価なるものを設定してみました。それぞれ3つの資本に焦点を当ててみた項目です。
今回は人的資本をのばすために「お金に関する本(または、現在の副業に関する本)を1冊読む。また、その内容で気になったところをブログでまとめてみる」というものを実践してみました。
読んでみたのは「パッと頭に入る経済」。
これまで経済、投資に関するニュースに触れてきましたが、”ふ~ん”という感じでイマイチ理解が追い付いていない感じはもともとありました。それらは根本的に経済に関する基礎知識がないから。何事も前提となる基礎知識がないことにはどんな話題にもついていけるはずがありません。
読んだ結果、現在の日本が直面している問題は20~30年前からすでに予想されていた未来だったということ。それがハッキリとわかりました。何とも悲しくなる現実がそこにはありました。
さて、それはそれとして、この本を読んだことで全ての経済の基礎知識が理解できたとは思っていません。ですが、自分にとって特に興味深い項目についてはそれなりに理解できたと思っています。
お金に関する知識は勉強すればするほど身につくものです。知識は矛にもなり、盾にもなる。それを知っていたことで得をする。知らなかったことで損をする。それがお金の残酷な世界です。この年齢になって今更気付いたというべきか、まだこの年齢のうちに気づいてよかったというべきか。
何にせよ、お金に困らない人生を送るためにはお金に関する知識は必要となってきます。目指すはプチサイドFIRE。資産収入で光熱費だけでもまかない、あとは仕事を一生懸命働くことで裕福とはいわずとも貧しくもない中の下間層の生活。それが今の元酒屋の現実的な目標ラインでしょう。
次回はどんな本を読んでみようか。幸いにして、オトンがけっこうな量の本を所有しているので、自分で買う必要がありません。自分のレベルにあったものを選んで読む。読み終わったらまたこの場でどんな内容だったか発信していきます。
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