やっちまった!
元酒屋の一生の不覚!
自分1人だけの状況ならまだしも、新入社員の目の前でやってしまった!
自分からは言わないでおいたけど、はたして彼は黙っていてくれるだろうか?
上長にバレませんように…
体力低下、昼寝をしなければ労働の出来ない身体に…
元酒屋は現在アラサーの年齢にいます。この齢になると、若かりし頃のように「徹夜でゲーム余裕だぜ!」なんてことも言えなくなってきた。
昼食の後は昼寝を挟まなくては、午後の活動に耐えられない身体となっています。
休む時は、休む。
ひょっとしたら、運動不足による体力低下も関係しているかも。
平日は毎日の軽い筋力トレーニング、土日は早朝ランニングに励んでいます。
それでも、特に身体に変化が起きたとは思えない。筋肉はついたけどね。
重要視しているのは体力の方。
とにかく身体が疲れやすい。体力低下を感じている。
やはり、齢のせいか。筋肉は維持できても、体力はどうにもならないのか…
そんな元酒屋の平日の習慣。
昼休みになると、ちょっぱやで弁当を腹に入れ、すぐに昼寝に入る。
昼寝の場所は、とある焼却施設の一角。
ここが程よい暖かさ。もちろん、昼休み中は焼却施設の稼働は停止。ちゃんと施設内に設置してあるベンチに座って、昼寝タイム。
まるでのび太の如く、目をつぶってものの数秒で夢の世界へ。
昼休み終了前のアラームと共に、パっと目を覚ます。
これで、午後からの肉体労働にも耐えられるでしょう。
一生の不覚!新入社員の目の前で居眠りをしてしまう!
ところが、今日はいつもと違う。何かが違う。
そう、昼寝をしていなかったのだ!
私用であちこちに電話をする用があり、昼寝をする時間を確保できなかったのだ!
これはマズイ。はたして、午後の労働に耐えられるんだろうか…
そして不安は見事に的中。
立ちながら居眠りをしてしまった…
さらに、この日の労働はもう1つ違う点がある。新入社員が現場研修で作業をしているのです。
その受け入れ先が元酒屋が担当している機械。
つまり、新入社員が作業をしている目の前で、居眠りをしてしまったのだ。
普段だったら、こんなことはない!
どれほど眠気が襲ってきたところで、そこは機械作業中。身体を動かしていれば、何とか耐えられるもの。
だが、この時作業をしていたのは新入社員。自分は、その隣りで指導をしていただけ。もちろん、最初は自分が作業の手本を示します。
やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ
この言葉を何とか実践しようとしていたのです。
「やってみせ、言って聞かせて」とここまでは問題なくこなしました。(個人的な主観ですが)
だが、「させてみせ」。
ここで居眠りをしてしまった。午前中に溜まった疲労と眠気に耐えられず、新入社員の目の前で居眠りをしてしまった。
幸いにその姿、上長に発見されることはなかった。その1点についてのみ、本当に助かった…
とはいえ、新入社員の目の前で居眠り。
何も言わなかったけど、多分、彼は気づいていただろう。
「こいつ、寝てやがる!」
そんなことを考えられてしまったかも…
こちらからも、特に何か話題にあげることもなく、普通に接した。というか、あえて話題にあげずにすっとぼけた態度を取るようにした。
これが吉と出るか、凶と出るか。
翌日が怖い。上長に何か言われたりはしないだろうか…
頼むぞ新人君。どうか誰にも言わないでくれ!
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