放火…ではありません。どて焼きです。
この時期になると、地区一斉に行います。
最近、栃木で山火事が発生しています。
それを踏まえ、今年はかなり慎重に行うように注意が出されました。
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春先の風物詩、どて焼き開始
2月下旬になると、どて焼きを行います。今年は例年よりも1週間遅れての開催です。
消防団としても、地区から依頼がかかり、火災防止のため見回りを行います。
どて焼きには大きく2つの目的があります。
・土壌を良くし、作物の成長を促進させる
・害虫を駆除する
それぞれのメリットを見てみましょう。
土壌を良くし、作物の成長を促進させる
畑に残った草木は、放置していても微生物によって分解されます。
ただ、微生物は土の中の窒素を栄養として消費してしまいます。
その為、草木が多く残っているほど微生物が働くことになります。結果的に、土の中の栄養をどんどん消費してしまうのです。
そこで、あえて草木を燃やすことで微生物が働かなくてもいい環境を作ります。
また、当然のことですが、草木を燃やせば灰となります。この灰が重要なのです。
灰はミネラル成分となります。ここに雨などが降ることによって、土にしみこみます。
結果、土にミネラル成分が補給され、豊かな土となるわけです。
害虫を駆除する
大よそ、害虫は作物を収穫後の草木に住みつき、冬を迎えます。その後、暖かくなるにつれて活動を開始します。
春先まで、冬眠しているようなイメージです。
これら住み着いた害虫を放っておけば、せっかくの作物も全て食べられてしまいます。作物自身も、病気になる可能性が大きくなります。
そこで、暖かくなる直前に、どて焼きを行います。
冬場に住み着いた害虫どもは一網打尽。はれて害虫の死骸は土の肥やしとなるわけです。
めでたし、めでたし。
消防団出動!山火事防止のため、見回り開始!
どて焼きは各地区ごとで行います。元酒屋の居住地区では、4地区合同で行います。
あらかじめ日取りを決めておき、その日に一斉に行います。
やはり、個人個人が好きにやろうとすると、火の不始末の恐れがあるからです。
消防団としての役割は、山火事防止の見回り。また、どて焼き終了後の残火処理になります。
地区から消防団に見回りの依頼があり、どて焼き作業に駆り出されます。
毎年行っていることなので、どこが山火事が発生しやすい地域か把握しています。また、どの地区が気合を入れてひたすら燃やすかも把握しています。
過去、あまりの炎の勢いに圧倒され、何も知らない通行人が消防署へ通報した事例があります。
その時、元酒屋はすでに消防団として活動していました。もちろん、そのどて焼きの現場も見ています。
残念ながら、その時の写真は残っていません。あれは、もはや大火災と間違えられても仕方がないと自覚しています。
それだけ、気合を入れて火をつける地区があるということです。
困ったものだ…
とにもかくにも、山火事防止のため、見回りを行います。
作業自体は、午前中には終了します。
これもその地域で生活するために必要なこと。共助の精神をもって、地域の作業にあたります。
どて焼きのコツ~いい加減に火をつけよう~
どて焼きのコツは、いい加減に火をつけることにあります。
あまり「いい加減」と聞くと、あまり良いイメージを持たないかもしれません。ただ、これが重要なのです。
きちんと火をつけようとすると、火を入れてはいけない場所まで燃やしかねません。それが結果的に山火事に繋がる可能性があります。
そうでなくても、どて焼きを行う場所には、燃やしてはいけない物も数多くあります。
例えば、電柱のポール、ビニールハウス、地籍の境界標などです。
つまり、過去燃えたことがあるわけ何ですけどね…
とにかく、隅々まで火をつけようとしない。
「これぐらいでいいや」の感覚でいい加減に火をつける方が、むしろ安全に行うことが出来ます。
ところで、このどて焼きですが、もちろん勝手に行うわけではありません。
きちんと役場、消防署にもこの日に行うと届け出を出してあります。
今どき、好き勝手火をつけようとすると、とにかく警告を受けます。特に最近は栃木で山火事が発生したばかりです。
届け出を行った時は、かなり注意を受けたそうです。
何にせよ、年に一度の地区行事です。注意すべきところは注意し、今後も楽しく放火…ではなく、どて焼きを行います。
おまけ~どて焼きの風景~
地区から依頼がかかり、見回り準備を行っています
ファイヤーレンジャーを使って、残火処理を行います
放火…ではありません
火をつけて害虫駆除
近所のおじさんも、どて焼き参加
お婆さんが放火…ではなく、どて焼き参加
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